Tomoki Yoshihisa

Associate Professor, Ph.D (Information Science)

Broadcast and Communication Computing

放送コンピューティング

ストリームデータの配信や処理を放送型配信を介して行う計算環境を放送コンピューティングと呼び、関連する革新的な技術を研究しています。ストリームデータは、時間的連続性のあるデータ群のことで、画像や映像、センサデータ、株価等のデータが挙げられます。具体的には、放送コンピューティング環境における配信技術や処理技術をコミュニケーションネットワークの観点から研究しています。

放送コンピューティングにおける配信技術

近年、YouTubeやUSTREAMといったストリームデータ配信サービスの利用者が増加し続けており、 ストリームデータ伝送技術は今後の通信情報システムに必要不可欠な技術です。 特に映像ストリームデータの伝送では、映像の再生が途切れている時間が短いほど利用者の 満足度が高くなるため、再生途切れ時間の短縮が求められます。このような要求に対し、 利用者の端末間でも映像データを伝送する「端末伝送方式」を提案し、再生途切れ時間短縮のための 技術を研究し続けています。

例えば、従来のサーバクライアントモデルを用いた映像ストリーム伝送方式では、 サーバが10Mbpsの帯域を用いて再生レートが1Mbpsの映像を配信すると、非常に単純なモデルでは 配信先が10台以上になった時点で 再生に途切れが発生しますが、提案方式を用いることで、配信先が何台になっても途切れが発生しない 配信ソフトウェアを実現できます。さらに、世界中の電波放送のデジタル化に伴って、ストリームデータ伝送技術は地上波テレビ放送などの放送分野においても重要な役割を担っており、放送を使って再生途切れ時間を短縮する技術がいっそう求められています。そこで、放送と通信(インターネット)を同時に利用する「放送通信融合型伝送方式」や、映像データを幾つかの部分に分けて放送スケジュールを統計解析し、効果的な順番で配信する「分割放送方式」の研究開発を進めています。

 

主要論文一選

Tomoki Yoshihisa and Shojiro Nishio: ``A Division-based Broadcasting Method Considering Channel Bandwidths for NVoD Services,'' IEEE Transactions on Broadcasting, Vol. 59, Issue 1, pp. 62-71 (Mar. 2013).

放送コンピューティングにおける処理技術

ストリームデータ処理では、時間的連続性のある一連のデータを処理するため、1回の処理に時間がかかると単位時間あたりの処理回数が減少する問題があります。そこで、ストリームデータを各端末で処理しながら収集し、負荷の並列分散と通信量削減を実現することで、高速に処理を行えう技術を研究開発しています。処理を短時間で行うために、ルール形式の処理方式の提案やReteアルゴリズムを用いた研究も行っています。

 

主要論文一選

Tomoya Kawakami, Tomoki Yoshihisa, Yutaka Yanagisawa, and Masahiko Tsukamoto: ``A Rule Processing Scheme Using the Rete Algorithm in Grid Topology Networks,'' IEEE International Conference on Advanced Information Networking and Applications (AINA-2015), pp. 674-679, Gwangju, Korea (Mar. 2015).

ウェアラブル型放送コンピューティング

ウェアラブルセンサやウェアラブルカメラの普及に伴い、人々から日々大量のストリームデータが生成されています。このような装着された危機から発生するストリームデータをウェアラブルストリームデータと呼び、関する研究を進めています。IoT(Internet of Things)環境やCPS(Cyber Physical System)といったインターネット介したストリームデータ処理が注目されており、ウェアラブルストリームデータから必要なストリーム データを収集することが求められていますが、人々から日々大量に発生しているため、収集のための検索および送受信に時間がかかる問題があります。そこで、時間的局所性と地理的局所性を利用して素早く必要なデータに近いストリームデータを収集する通信情報システムを開発しています。


主要論文一選

Ei Khaing Win, Tomoki Yoshihisa, Yoshimasa Ishi, Tomoya Kawakami, Shinji Shimojo: ``A Stream Merge Method to Reduce Load for Sensor Data Stream Delivery,'' Proc. of IEEE Global Conference on Consumer Electronics (GCCE'15), pp. 120-121 (Oct. 2015).