大阪大学サイバーメディアセンター先端ネットワーク環境研究部門
(大阪大学大学院情報科学研究科ユビキタスネットワーク講座)
2013年度研究成果報告

本Webページは大阪大学サイバーメディアセンター先端ネットワーク環境研究部門(大阪大学大学院情報科学研究科ユビキタスネットワーク講座、松岡研究室)の2013年度の研究成果をまとめた報告書です。ご清覧いただき、忌憚のない意見を下されば幸いです。

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目次

  1. メンバー
    1. スタッフ
    2. 共同研究者
    3. 学生
  2. 研究業績
    1. データセンタの省電力化に関する研究
      1. サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価に関する研究
      2. データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価に関する研究
      3. WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価に関する研究
      4. 生物ネットワーク特性に基づく情報ネットワークシステムアーキテクチャに関する研究
    2. 次世代サービスネットワークアーキテクチャに関する研究
      1. オーバレイルーティングによって増加する ISP 間トランジットコストの削減に関する研究
      2. オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究
      3. ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究
    3. 次世代ルーティングアーキテクチャに関する研究
      1. TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究
      2. 省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究
      3. ネットワーク省電力化のためのルータにおけるコンテンツキャッシングに関する研究
    4. 無線ネットワークに関する研究
      1. IEEE 802.16jリレーネットワークのための発見的手法に基づくタイムスロット割当アルゴリズムの研究
      2. 重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析に関する研究
      3. ユーザ端末収容のためのタイムスロット割り当ての研究
      4. 無線センサネットワークにおける受信電波強度に基づいた省電力情報伝播手法に関する研究
      5. モバイルネットワークにおける通信制御コスト削減のための端末集約手法の性能評価に関する研究
    5. 歩行者数計測に関する研究
      1. 動画像中の仮想ゲート通過人数推定に関する研究
      2. 動画像中の歩行者数推定に関する研究
      3. 複眼センサを用いた歩行者推定に関する研究
  3. 発表論文一覧
    1. 学術論文誌
    2. 解説論文・記事
    3. 国際会議会議録
    4. 口頭発表
    5. 博士論文・修士論文・特別研究報告
      1. 博士論文
      2. 修士論文
      3. 特別研究報告

1. メンバー

1.1. スタッフ

松岡 茂登
松岡 茂登
教授
長谷川 剛
長谷川 剛
准教授
谷口 義明
谷口 義明
助教
(2014.3退職)
大西 麻理
大西 麻理
秘書

1.2. 共同研究者

村田 正幸
村田 正幸
大阪大学
教授
萩田 紀博
萩田 紀博
ATR IRC
所長
上羽 正純
上羽 正純
室蘭工業大学
教授
浮田 宗伯
浮田 宗伯
奈良先端大
准教授
多田 知正
多田 知正
京都教育大学
准教授
中村 泰
中村 泰
大阪大学
特任准教授

1.3. 学生

小林 大翼
小林 大翼
博士後期課程2年
通阪 航
通阪 航
博士後期課程1年
飯島 優介
飯島 優介
博士前期課程2年
高木 祥一
高木 祥一
博士前期課程2年
坪内 佑樹
坪内 佑樹
博士前期課程2年
肥後 恒平
肥後 恒平
博士前期課程2年
藤井 崇渡
藤井 崇渡
博士前期課程2年
水嶋 未来
水嶋 未来
博士前期課程2年
小山 甲射
小山 甲射
博士前期課程1年
桜井 駿
桜井 駿
博士前期課程1年
橋本 和幸
橋本 和幸
博士前期課程1年
菅沼 孝二
菅沼 孝二
学部4年
添 亮太
添 亮太
学部4年
出口 孝明
出口 孝明
学部4年
童 チイリン
童 チイリン
学部4年
森本 顕
森本 顕
学部4年

2. 研究業績

2.1. データセンタの省電力化に関する研究

近年、データセンタの消費電力削減が大きな課題となっている。本研究テーマでは、データセンタの省エネルギー技術と、広義の再生可能エネルギーである廃熱をオフィス等へ高効率に利活用する技術を両立させ、抜本的な電力削減を実現することを考えている。具体的には、データセンタの電力消費の3大要素(ICT機器、空調機器、電源)それぞれの省エネ技術について個別に取り組むと共に、高効率に回収した廃熱のオフィス等への利活用技術、およびそれらの統合連携制御を検討している。

[関連発表]

  1. SmartGrid ニューズレター編集部, ``けいはんなデータセンターにおける新世代のエネルギー制御システム ― エネルギー管理制御(DEMS)でデータセンター全体の消費電力を最適化 ―,'' SmartGridニュースレター, pp.24-33, Feb. 2014.
  2. 松岡茂登, ``エネルギーセントリック データセンター ,'' OHM, pp.43-45, Apr. 2014.

2.1.1. サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価に関する研究

サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価に関する研究

近年、ソーシャルネットワークサービスやブログサービス、オンラインストレージのようなインターネットサービスの登場に加え、ネットワークの高速化やストレージの大容量化に伴い、サーバサイドコンピューティングやクラウドコンピューティングに対する需要が拡大している。それに伴い、そのようなサービスを提供するためのサーバを多数運用するデータセンタの規模が拡大し、その消費電力が増大している。そのため、データセンタの消費電力削減は大きな課題となっている。この問題に対し、データセンタの処理能力を単純に増加させるのではなく、電力効率を考慮し、処理能力を下げることなく、総消費電力の削減を行うことが重要視されている。

データセンタの省電力化に関する研究においては、仮想化技術やネットワーク制御技術などのシステムに対する省電力化手法、また、高効率空調技術や高電圧直流給電技術などの機器レベルの省電力化手法など、データセンタを構成する個々の要素に対する検討が行われている。しかし、現状のデータセンタにおいては、個々の省電力技術が互いに独立して検討及び適用されており、それらの構成要素の連携制御によるデータセンタ全体の電力消費の最適化はほとんど検討されていない。そのため、現在のデータセンタが消費する電力には、今だに削減の余地が多く残っていると考えられる。

我々の研究グループでは、データセンタを構成する機器の連携に基づく全体最適化制御を行うことにより、データセンタの総消費電力を低減する手法に関する研究を行っている。さらに、サーバから得られる廃熱をオフィス内の湿度調整などに活用することで、データセンタの電力効率を高めることを目的とするデータセンタアーキテクチャを提案している。

本研究では、我々の研究グループが目標としている、データセンタの総消費電力の低減に関する研究の一環として、データセンタ内のサーバへのタスク配置がデータセンタの消費電力に与える影響を評価する。サーバのタスク配置は、データセンタ内の熱分布に大きく影響を与え、それに伴い、サーバ内のファンや空調機の総消費電力が変動する。特に、我々の研究グループが提案しているデータセンタアーキテクチャでは、データセンタ内の熱分布の偏りが大きくなるため、サーバへのタスク配置がサーバや空調機の消費電力に与える影響はより大きくなると考えられる。そのため、データセンタの総消費電力を削減するためには、まず、サーバへのタスク配置とデータセンタの総消費電力の関係を明らかにする必要がある。

本研究では、我々の研究グループが持つ実データセンタの稼働実験により得られた観測データに基づき、サーバのタスク配置が与えられた際のデータセンタの総消費電力を数値計算により算出する。構成の異なる様々なデータセンタを対象とした評価を行った結果、我々の研究グループが提案する構成のデータセンタを用いることにより従来構成のデータセンタを用いる場合と比べて26 [%] の消費電力を削減できることを示した。

[関連資料]

  1. サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価 サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価 (929 KB)

[関連発表]

  1. 菅沼孝二, ``サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  2. 菅沼孝二, 出口孝明, 谷口義明, 長谷川剛, 中村泰, 浮田宗伯, 松田和浩, 松岡茂登, ``サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.185-190, NS2013-208, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

2.1.2. データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価に関する研究

データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価に関する研究

近年、仮想専用サーバやウェブアプリケーション、オンラインストレージなどネットワークを介してデータセンタのサーバ資源を利用するサービスが普及し、データセンタへの需要が高まっている。それに伴い、データセンタの数および電力消費は年々増大しており大きな問題となっている。そのため、データセンタの省電力化に関する研究が注目を集めている。データセンタでは、サーバ等のICT 機器や空調機が消費電力の大半を占めている。既存の研究においては、データセンタを構成する個別の機器の電力効率を向上させるため多くの取り組みが行われている。それに対し我々の研究グループでは、データセンタを構成する個別機器の制御ではなく、データセンタ内の様々な機器の制御を連携して行うことにより、データセンタの電力効率をさらに向上させる取り組みを行っている。本研究では特に空調機とサーバの連携制御に着目する。

ラックに設置されたサーバは、タスクを実行することによって熱を発生する。この熱が溜まってサーバ内の温度が上昇しすぎると、サーバの故障の原因となる。この熱を冷却ために空調機が用いられるが、サーバの空調機からの距離やラック内での高さによってサーバを通過する風量が異なる。このため、データセンタ内のそれぞれのサーバが同量のタスクを実行していても、個々のサーバの場所に応じて温度差が生じる。空調機の設定温度は、サーバの故障を防ぐために最も温度の高いサーバの温度が基準以下となるように決定される。従って、サーバ温度にばらつきがある場合には温度の低いサーバは基準よりさらに低い温度となっており、空調機はこのサーバに対して必要以上の冷却を行っていることになる。そこで、サーバのタスク量をその位置に応じて制御することによって、データセンタ内の温度分布を平準化できれば、サーバの最高温度が低下し、空調機の設定温度を上昇させることにより、空調機の消費電力を削減できると考えられる。

本研究では、データセンタにおける空調機とサーバへのタスク配置の連携制御に着目し、データセンタ内のサーバの温度分布を平準化し、空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法を提案する。提案手法では、数値流体力学ソフトウェアを用いたシミュレーションにより、温度が高いサーバと低いサーバを特定し、温度が高いサーバから低いサーバにタスクを移動することで、サーバの温度分布を平準化する。提案手法の性能評価の結果、一般的なデータセンタモデルでは消費電力を9.6%削減できることがわかった。また、我々の研究グループが提案しているデータセンタモデルでは空調機の消費電力を45.6%削減し、廃熱利活用の効果を算入するとデータセンタ全体の消費電力を22.4%削減できることを示した。

[関連資料]

  1. データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価 データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価 (1,341 KB)

[関連発表]

  1. 出口孝明, ``データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  2. 出口孝明, 谷口義明, 長谷川剛, 中村泰, 浮田宗伯, 松田和浩, 松岡茂登, ``データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.191-196, NS2013-209, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

2.1.3. WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価に関する研究

WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価に関する研究

近年、情報通信(ICT) 技術を用いて家庭やビル、工場などのエネルギー使用を監視及び制御することによってエネルギー消費の最適化を行うエネルギー管理システム(EMS: EnergyManagement System) が普及している。EMS は、センサ技術やICT 技術を駆使し、電力使用量を可視化することによって節電につなげたり、再生可能エネルギーや蓄電池等の機器を制御することにより、効率的なエネルギーの管理、制御を実現するためのシステムである。

特に、一般家庭の家電機器を管理対象とするHEMS が、省エネのための重要な要素技術として注目されている。現在導入が行われているHEMS のほとんどは、家庭内ネットワーク内に閉じたシステムとして実装されているが、エネルギー制御を行う機器を家庭ごとに設置する必要があるため、導入コストが高いという問題がある。これに対し、エネルギー制御機器をクラウドネットワークに設置し、家電製品をWeb of Things (WoT) 化することにより、HEMS をクラウド型サービスとして提供することが考えられている。これにより、家庭へのHEMS の導入コストを下げ、普及促進を図ることが可能となる。

HEMS においては、家電機器とエネルギー制御機器との間に、電力需給が逼迫していない通常時であっても、数十秒に1 回程度の通信が発生する。そのため、HEMS をクラウド型サービスで提供し、多くの家庭を制御対象とすると、それらの通信がサーバに集中するため、サーバに大きな負荷が発生することが考えられる。従って、クラウド型HEMS を実現するためのサーバは、大量の家電機器とエネルギー制御機器間の通信を安定的かつ低遅延で処理することが求められる。一方、我々の研究グループの過去の検討から、双方向Web 通信を実現するためのプロトコルであるWebSocket を用いることで、ネットワークトラヒックやサーバ負荷を大きく削減できることが示されている。しかし、サーバ負荷の評価は簡易的な数学的解析に基づく評価のみが行われており、実システムを用いた評価は行われていない。

そこで本研究では、WebSocket 技術を用いたクラウド型HEMS を構築し、実験によって性能評価を行った。具体的には、まず、クラウド型HEMS において家電機器とサーバとの間で発生する具体的な通信内容や通信頻度について検討を行った。次に、多数の家庭を収容するクラウド型HEMS において、電力使用に制限が行われるような状況を想定した実験を行い、サーバ資源の消費やメッセージの応答時間に関する評価を行った。その結果、HEMSサーバが収容する家庭数の増加に応じて、サーバのメモリ使用量がほぼ直線的にに増加することが分かった。また、サーバにおけるデータベースアクセス時間は、家庭数が増加してもほとんど変化が見られなかった。さらに、CPU 使用率やサーバの応答時間は、サーバが用いるCPU コア数によって不規則な変化をし、マルチコアCPU を用いたプロセス処理がサーバの応答時間などに影響することが分かった。

[関連資料]

  1. WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価 WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価 (1,354 KB)

[関連発表]

  1. 童チイリン, ``WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  2. 童チイリン, 長谷川剛, 村田正幸, 松岡茂登, ``Websocket技術を用いてASPサービス化したHEMSの性能評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.91-96, NS2013-192, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

2.1.4. 生物ネットワーク特性に基づく情報ネットワークシステムアーキテクチャに関する研究

生物ネットワーク特性に基づく情報ネットワークシステムアーキテクチャに関する研究

近年、生物ネットワークの特性を情報ネットワークアーキテクチャに適用する研究が行われている。例えば、アドホックネットワークにおける、アリの習性を利用した経路制御手法に関する研究などがある。しかし、それらの研究の多くは、ネットワーク層あるいはそれより下位層のプロトコルやアーキテクチャに着目している。上位層プロトコルに関する研究例として、オーバレイネットワークにおいて、アトラクタ選択モデルを用いた自己適応的経路制御手法などの提案が存在するが、その数は下位層プロトコルへの適用例と比較しても少なく、アプリケーションサービスそのものに対する適用例は稀である。したがって、よりユーザに近いアプリケーションサービスに対して、生物ネットワークの特性を適用することにより、情報システム全体の頑強性を確保することは重要であると考えられる。

そこで本研究では、生物ネットワークの縮退特性を応用した、情報ネットワークシステムにおける頑強な冗長化手法を提案した。提案そこで本研究では、生物ネットワークの縮退特性を応用した、情報ネットワークシステムにおける頑強な冗長化手法を提案した。提案手法は、従来の冗長化手法に見られる1 対1 あるいは1 対多の冗長化や、同一の機能群を実現可能な機器を複数準備する多対多の冗長化ではなく、システム全体として必要となる冗長資源を保持するために、限られた機能群を実現できる機器を多数用意し、それらが実現できる機能に部分的な重複関係を持たせることにより、システム全体で多対多の冗長化を実現する。本研究においては、このような冗長化手法を適用可能な情報ネットワークシステムの例を挙げるとともに、シミュレーション評価によってその有効性を明らかにする。データセンタにおける仮想マシン配置問題に本提案手法を適用し、シミュレーションによって性能評価を行った結果、単純な冗長化を行う手法に比べて、提案手法に基づく情報ネットワークシステムが高い頑強性を持つことを示した。また、単純な冗長化手法に比べて、同等の頑強性を維持しつつ、最大75%の冗長資源を削減できることを示した。

[関連資料]

  1. 生物の縮退特性によるロバスト性を利用したデータセンタの低消費電力化のための仮想マシン配置法 生物の縮退特性によるロバスト性を利用したデータセンタの低消費電力化のための仮想マシン配置法 (5 ,559 KB)

[関連発表]

  1. 長谷川剛, 村田正幸, ``生物ネットワークの縮退特性に基づくシステム冗長化方式における自律的障害回復手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.4, pp.31-36, NS2013-7, 輪島商工会議所, 石川, Apr. 2013. [paper]
  2. 添亮太, ``生物の縮退特性によるロバスト性を利用したデータセンタの低消費電力化のための仮想マシン配置法,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  3. 添亮太, 長谷川剛, 村田正幸, ``生物ネットワークの縮退特性を応用したデータセンタの仮想マシン配置における頑強な冗長化手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.31-36, ICM2013-55, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]

2.2. 次世代サービスネットワークアーキテクチャに関する研究

2.2.1. オーバレイルーティングによって増加するISP間トランジットコストの削減に関する研究

オーバレイルーティングによって増加するISP間トランジットコストの削減に関する研究

オーバレイルーティングはオーバレイネットワークを用いたアプリケーション層で動作する経路制御技術であり、遅延時間や利用可能帯域などの指標を用いて経路を選択することで、ユーザが体感できる性能が向上することが知られている。一方で、IP 層で行なわれる経路制御とのポリシの違いにより、ISP のコスト構造に悪影響を与えることが考えられる。ISP によって提供される IP ルーティングは、一般に隣接 ISP とのリンクの使用にかかる金銭的コストを考慮して制御されている。対してオーバレイルーティングではエンド間の性能向上を目的として経路が選択されるため、オーバレイルーティングの利用によって通過するトランジットリンク数が増加し、ISP のトランジットコストが増大することが考えられる。

そこで本研究では、オーバレイルーティングによって増加する ISP 間のトランジットコストを削減する手法を提案した。提案手法では、経路上のトランジットリンク数をトランジットコストの指標とし、オーバレイルーティングによる性能向上を維持しつつ、トランジットコストを抑える経路を選択する。実ネットワークの計測データを用いた評価により、提案手法を用いたオーバレイルーティングが、通過するトランジットリンクの数を削減しつつ、トランジットリンクの制限を行わない場合のオーバレイルーティングと同等の性能向上を得られていることを示した。

また、このようなアプリケーション層において他エンドホストを経由するような経路をエンド間のネットワーク性能を指標として選択する際に、各々のエンドユーザが独自に経路選択を行うと、経路の重複によるユーザ性能の低下や、利用するISP 間トランジットリンクが増加することによるISPのトランジットコスト増大が発生する点に着目し、新たなアプリケーション層経路制御手法の提案を行った。具体的には、まず、アプリケーション層における経路選択の最適化問題を定義し、これを焼きなまし法を用いて解くことにより、ユーザ性能の向上やトランジットコストの削減を実現する経路制御手法を集中処理、分散処理の2 つの形で提案した。PlanetLabノード間で経路制御を行うことを想定して、提案手法の性能評価を行った結果、大幅なネットワーク性能の向上が得られ、特に利用可能帯域においては平均で84\% の性能向上が得られることを示した。

さらに、近年提案されている新たな経路制御手法であるContent-Centric Networking (CCN)のキャッシュをルータ間で共有することで、ISPのトランジットコストを削減する手法を提案、評価した。提案手法では、CCN ルータ間で互いにキャッシュを利用し、お互いにキャッシュするコンテンツの重複を排除する。これにより限られたメモリ容量を有効利用してキャッシュヒット率を高め、トランジットコストを大きく削減する。実際の商用ISP のネットワークトポロジを利用したシミュレーション評価により、提案手法が通常のCCN と比べ、トランジットトラヒック量を最大で28\% 削減できることをした。

[関連発表]

  1. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``An application-level routing method with transit cost reduction based on a distributed heuristic algorithm,'' IEICE Transactions on Communications, vol.E96-B, no.6, pp.1481-1491, June 2013. [paper]

2.2.2. オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究

オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究

オーバレイネットワークはIP ネットワーク上に論理的に構築されたネットワークであるため、性能の維持、向上のためには定期的にオーバレイパスの資源情報を計測によって得る必要がある。オーバレイネットワークの構築に必要な情報を得る手法は数多く提案されているが、その多くは小規模なオーバレイネットワークを対象としており、全てのオーバレイノード間の経路を計測する手法である。このような手法ではオーバレイノード数の2乗の計測コストが必要であり、オーバレイノード数が増加した場合には計測に必要なコストの増加が問題となる。

このようなオーバレイネットワークにおける計測においては、計測経路数を削減する、あるいは、スーパーノードを設置してオーバレイネットワークの全ての経路情報を収集し、完全スケジューリングによって計測の衝突を回避する手法が提案されている。これに対し本研究では、スーパーノードを使用せず、かつ、IP ネットワークの完全なトポロジ情報を必要としない、オーバレイネットワーク計測手法を提案した。具体的には、個々のオーバレイノードが自身を始点とするオーバレイパスの計測タイミングを決定し、計測衝突を回避する。

提案手法は、個々のオーバレイノードが他のオーバレイノードまでのアンダーレイ経路情報を取得し、他のオーバレイノードと経路情報を交換することにより、自身を始点とする経路と、他のオーバレイノードを始点とするパスの経路重複の状態を推定する。1 つのオーバレイノードを始点とする複数のパスは、逐次的に計測を行うことで、計測衝突を回避する。一方、始点が異なる経路は、始点オーバレイノードがランダムに計測タイミングを決定することで、衝突を確率的に回避する。性能評価の結果、従来の完全スケジューリング型の計測手法に比べて高い計測頻度を達成し、かつ、計測重複を効率的に回避できることを明らかにした。また、利用可能帯域の計測精度を下げることなく、計測オーバヘッドを削減できること、また、アンダーレイネットワークの故障を従来手法に比べて短い時間で検出できることを明らかにした。

さらに本研究では、オーバレイパスの重複した部分の計測を行わず、重複部分の計測結果を合成することにより、オーバレイネットワーク全体の性能を推定する、計測結果の空間的合成手法を提案した。この手法は、オーバレイネットワーク全体のパスの情報を得る完全性を維持しつつ、パスの計測数を削減することができるが、計測結果の空間的合成によって得られた推定結果と実際の計測結果との間の誤差、つまり推定精度が問題となる。そのため、本研究では、PlanetLab上における計測結果を用いた、パケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法の精度評価を行った。また、推定精度を向上させるための計測結果のデータ処理手法を提案した。

精度評価の結果、PlanetLab環境における、実際のパケット廃棄率の計測結果と、空間的合成手法によって得られた推定値との平均対数誤差は約0.4であることがわかった。また、パケット廃棄率の計測においては、オーバレイノード処理負荷が原因となり、計測開始後の数秒間にパケットが全く届かないことがあり、そのような計測結果を削除した上で統合手法を適用することによって、推定精度が向上することがわかった。さらに、パケット廃棄率の計測結果に対し、統計的検定を適用し、外れ値を除去することにより、平均対数誤差を最大で36%改善できることを示した。

[関連資料]

  1. オーバレイネットワークにおける 空間的合成に基づくパケット廃棄率計測手法 オーバレイネットワークにおける 空間的合成に基づくパケット廃棄率計測手法 (735 KB)

[関連発表]

  1. Dinh Tien Hoang, 長谷川剛, 村田正幸, ``オーバレイネットワークにおける経路重複の推定に基づく分散型利用可能帯域計測手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.205, pp.1-6, NS2013-71, 東北大学, 宮城, Sep. 2013. [paper]
  2. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``A distributed measurement method exploiting path overlapping in large scale network systems,'' in Proceedings of the 1st Workshop on Large Scale Network Measurements (31st NMRG meeting), Zurich, Switzerland, Oct. 2013. [slide]
  3. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``Monitoring available bandwidth in overlay networks using local information exchange,'' in Proceedings of the 2013 Australasian Telecommunications Networks and Applications Conference (ATNAC 2013), pp.172-177, Christchurch, New Zealand, Nov. 2013. [paper]
  4. Dinh Tien Hoang, ``Distributed solution approaches for large-scale network measurement exploiting local information exchange.'' Ph.D. Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Jan. 2014.
  5. Yusuke Iijima, ``Measuring packet loss ratio on overlay networks based on spatial composition,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  6. 飯島優介, 長谷川剛, 村田正幸, ``オーバレイネットワークにおける空間的合成に基づくパケット廃棄率計測手法の精度向上,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.7-12, ICM2013-51, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]
  7. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``A distributed mechanism for probing overlay path bandwidth using local information exchange,'' IEICE Transactions on Communications, vol.~E97-B, no.~5, May 2014. (to appear)
  8. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``Spatial and temporal solutions for fault diagnosis in large-scale network systems,'' submitted for publication.

2.2.3. ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究

ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究

エンド端末間におけるデータ転送の際に、パスの利用可能帯域を指標として用いることで、輻輳の検知、通信レートの制御、オーバレイネットワークにおけるトポロジ制御、経路制御やマルチパス転送などの様々なネットワーク制御が可能となる。そのため、エンド端末間パスの利用可能帯域を計測することは重要である。従来の端末間パスの利用可能帯域の計測技術は、ボトルネック区間の利用可能帯域の値のみを把握することができるが、一方、ボトルネック区間そのものの特定やエンド端末間パスの複数箇所の利用可能帯域の計測を行うことはできない。しかし、たとえば無線ネットワークと有線ネットワークなどネットワーク特性が異なる区間がエンド端末間パス上に混在している場合に、それぞれのネットワークの利用可能帯域の計測が可能となれば、無線ネットワークなどパケット誤りの多い環境に応じて通信レートを低く設定するなどの、ネットワーク環境に応じた制御を行うことができる。

そこで本研究では、エンド端末間のパス上における複数かつ任意の区間における利用可能帯域を同時に計測する手法について検討し、その有効性をシミュレーション及び実機実験によって検証した。従来の利用可能帯域の計測手法は送信端末が受信端末に向けて計測用パケットを送る際に、パケットの送信間隔を様々に変化させ、受信端末における受信間隔を観察することで利用可能帯域を計測する。そこで、提案手法においては、パケットの送信間隔の制御方法を改善し、かつ、エンド端末間パス上のルータにおいて記録されるパケットの送受信時刻を利用することによって、端末間のパス上における任意の区間の利用可能帯域を計測する。提案方式の性能評価は、簡易的なシミュレーションによって行った。その結果、送信端末に近いネットワーク区間より、受信端末に近いネットワーク区間の利用可能帯域が大きい場合においても、それぞれの区間の利用可能帯域を計測することが可能であることを確認した。また、実機実験によっても、シミュレーション結果と同等の計測精度が得られることを確認した。

[関連資料]

  1. エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験評価 エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験評価 (447 KB)

[関連発表]

  1. 鯉谷和正, 長谷川剛, 村田正幸, ``ネットワークパス上の複数区間の利用可能帯域計測手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.292, pp.11-16, NS2013-117, 福江文化会館, 長崎, Nov. 2013. [paper]
  2. 森本顕, ``エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  3. 森本顕, 長谷川剛, 村田正幸, ``エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験的評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.1-6, ICM2013-50, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]

2.3. 次世代ルーティングアーキテクチャに関する研究

2.3.1. TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究

TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究

IEEE 802.11無線LANにおいては、無線通信が消費する電力が全体の10\%から50\%を占めることが報告されており、無線通信の消費電力を削減することが機器全体の消費電力を削減するうえで重要である。無線LANにおける省電力化に関する検討は、主にハードウェアレベルおよびMACプロトコルレベルの双方から行われている。一般に、ネットワーク機器の省電力に関して議論を行う場合においては、省電力効果とネットワーク性能間のトレードオフを考慮する必要がある。すなわち、消費電力の削減に効果のある要因を明らかにし、その要因がどの程度ネットワーク性能を低下させるかを知ることが重要である。しかし、TCPなどのトランスポート層プロトコルの挙動が省電力性能に与える影響を考慮したデータ転送手法に関する研究はほとんど行われていない。

そこで本研究では、無線LAN 環境におけるTCPデータ転送の省電力化を行うためにSCTPトンネリングを提案した。SCTPトンネリングは、複数のTCPフローを無線端末とアクセスポイント間に確立した1本のSCTPアソシエーションに集約する。そして、SCTPトンネリングは集約されたTCPフローのパケットをバースト的に転送することによって状態遷移回数を削減し、スリープによる省電力効果を高める。また、提案方式の省電力効果を評価するために、SCTPトンネリングの消費電力モデルを構築する。その消費電力モデルに基づいた消費電力解析により、提案方式が消費電力を最大70\%程度削減できることを示した。また、実機実験によってもその有効性を検証し、標準化されている省電力手法を単独で用いた場合と同程度の省電力効果を保ちながら、ファイル転送時間を短く抑えることができることを示した。

[関連発表]

  1. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``SCTP tunneling: Flow aggregation and burst transmission to save energy for multiple TCP flows over a WLAN,'' IEICE Transactions on Communications, vol.E96-B, no.10, pp.2615-2624, Oct. 2013. [paper]
  2. 橋本匡史, 長谷川剛, 村田正幸, ``無線LANにおける省電力TCPデータ転送方式の実験評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.208, pp.113-118, CQ2013-47, 金沢工業大学, 石川, Sep. 2013. [paper]

2.3.2. 省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究

省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究

近年、ネットワークトラヒックの増加に伴うネットワーク機器の消費電力の増加が問題となっている。経済産業省の試算によると、国内のルータを含むネットワーク機器の総消費電力は、2006 年度の約80 億kWh から2025 年度には約1033 億kWh と、およそ13 倍に増加すると指摘されている。この問題に対して、ネットワーク負荷に応じてルータ処理性能やリンク速度の動的な変更を行うことにより、省電力を図る技術に関する研究が行われている。しかし、そのような省電力ルータがネットワーク内に存在すると、ネットワーク負荷に応じてエンド端末間パスの物理帯域が変動するため、従来提案されているエンド間利用可能帯域計測手法の計測精度が劣化すると考えられる。また、帯域計測のために発生するネットワーク負荷により、省電力ルータが十分に省電力効果を発揮できない可能性がある。

そこで本研究では、リンクの物理帯域を動的に変化させる省電力ルータがネットワークに存在する環境における、エンド間利用可能帯域計測手法Pathload の性能評価を行い、利用可能帯域計測と省電力ルータが相互に及ぼす影響を明らかにする。また、Pathload が省電力ルータに与えるトラヒック負荷を解析的に明らかにした。その結果、計測負荷によって省電力ルータが物理帯域を増加させた場合、省電力動作中の物理帯域を基準とした利用可能帯域を計測することが困難になることを示した。また、その結果に基いて、計測手法のパラメータを調整することにより、省電力ルータに影響を与えない計測を行うことが可能であることを示した。

[関連発表]

  1. 小林大翼, 長谷川剛, 村田正幸, ``省電力ルータに与える負荷を考慮したエンド間帯域計測手法の提案,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.35, pp.83-88, NS2013-27, 総研大, 神奈川, May 2013. [paper]
  2. Daisuke Kobayashi, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``End-to-end bandwidth measurement method considering effects on power-saving routers,'' in Proceedings of the 2013 Australasian Telecommunications Networks and Applications Conference (ATNAC 2013), pp.112-117, Christchurch, New Zealand, Nov. 2013. [paper]

2.3.3. ネットワーク省電力化のためのルータにおけるコンテンツキャッシングに関する研究

ネットワーク省電力化のためのルータにおけるコンテンツキャッシングに関する研究

コンテンツキャッシングによるコンテンツ配信の効率化手法の1つとして、ネットワーク上のルータがコンテンツを保持することでトラヒックの削減や応答時間を改善するCCNのような手法が提案されているが、この手法はネットワークの消費電力の削減にもつながる可能性がある。従来のキャッシングに関する研究では、ルータのストレージ容量はあらかじめ与えられており、それを有効に利用するための置き換え手法の検討が中心であった。キャッシュの効果は容量が大きいほど向上するため、キャッシュのためのストレージ容量は可能な限り大きいことが望ましく、その適切な大きさが議論の対象となることはなかった。しかし、消費電力の削減に着目すると、適切なストレージ容量については議論の余地がある。また、ルータがコンテンツを保持することが消費電力の削減にどの程度有効であるかについても明らかではない。例えば、ネットワークの消費電力の削減を目的とする場合、ストレージ装置自体が電力を消費するため、各ルータに大容量のストレージを備えることが必ずしも全体として消費電力の削減につながるとは限らない。

そこで本研究では、消費電力の削減を目的として、ルータの適切なストレージ容量に関する議論を行うとともに、ルータがコンテンツを保持することの有効性について評価した。消費電力を削減するために適切なストレージ容量は、コンテンツのアクセス分布、対象とするネットワークトポロジなどの要素に依存する。本研究では、現実のネットワーク構成を元にしたモデルに基づいて、さまざまな要素がストレージ容量やネットワークの消費電力量に及ぼす影響を評価し、ルータがコンテンツを保持することが消費電力の削減につながるための条件を明らかにした。また、実際のネットワークを元にしたネットワークトポロジおよびパラメータ設定に基づいて、適切なストレージ容量および削減できる消費電力量を評価した。その結果、ストレージ装置としてSSD を用いることで、ネットワークの消費電力量が最大で約44%削減された。またコンテンツのアクセス頻度の分布がストレージ容量および消費電力量に及ぼす影響を明らかにした。

[関連発表]

  1. 多田知正, 村田正幸, 長谷川剛, 馬場崎忠利, 中村二朗, 松岡茂登, 松田和浩, ``ルータにおけるキャッシングがネットワークの消費電力に与える影響の評価,'' 電子情報通信学会論文誌, vol.J96-B, no.11, pp.1260-1271, Nov. 2013. [paper]

2.4. 無線ネットワークに関する研究

山間部や離島など有線ネットワークの敷設が困難な地域において無線接続環境を提供することのできる無線メッシュネットワークなど、複数のノードが無線でマルチホップ接続される無線ネットワークに関する研究が注目を集めている。本研究では、無線ネットワークの性能を改善するための手法および性能評価に取り組んでいる。

2.4.1. IEEE 802.16jリレーネットワークのための発見的手法に基づくタイムスロット割当アルゴリズムの研究

IEEE 802.16jリレーネットワークのための発見的手法に基づくタイムスロット割当アルゴリズムの研究

ワイヤレスネットワークでは、複数のノードが同じチャネルで同時に通信を行うと電波干渉が発生し、ネットワーク性能が低下する。そのため、IEEE 802.16j リレーネットワークでは、時分割方式による無線通信が行われている。この時、リンクに割り当てるタイムスロットの数を減らすことは、単位時間におけるリンクの通信機会を増やすことになるため、ネットワーク性能の向上を意味する。複数のリンクに同一のタイムスロットを割り当てることで、使用するタイムスロット数を減らすことが可能だが、リンク間で電波干渉が発生し、伝送量が低下する。ネットワーク中の全てのリンクのトラヒック負荷を満たす必要があるため、伝送量の低下は使用するタイムスロット数の増加の原因となることがある。そのため、トレードオフを考慮してタイムスロット割当を行う必要がある。また、タイムスロット割当において最適解を求める問題は、NP 困難であることが知られており、発見的手法が必要とされている。

本研究では、IEEE 802.16j リレーネットワークにおける発見的手法によるタイムスロット割当アルゴリズムを提案し、それをシミュレーション実験により評価する。提案アルゴリズムは2 種類あり、一つはリンクごとに割り当てるタイムスロットを貪欲法に基づいて決定する。もう一方は、タイムスロットごとに、それを使用するリンクを決定する。評価の結果、どのリンクも同じタイムスロットを使用しない場合に比べ、提案アルゴリズムは34%と39%のタイムスロット数削減が可能であることを示す。その一方で、後者のアルゴリズムの計算時間は前者に比べて長く、性能と計算時間にトレードオフの関係があることを示す。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるタイムスロット割当のための発見的アルゴリズムの性能評価 IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるタイムスロット割当のための発見的アルゴリズムの性能評価 (599 KB)

[関連発表]

  1. Shoichi Takagi, Go Hasegawa, Yoshiaki Tanigchi, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Comparative evaluation of heuristics for time slot assignment in IEEE 802.16j relay networks,'' in Proceedings of the 7th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU 2014), pp.83-84, Bras Basah, Singapore, Jan. 2014. (Poster)
  2. Shoichi Takagi, ``Performance evaluation of heuristic algorithms for time slot assignment in IEEE 802.16j relay networks,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  3. 高木祥一, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``IEEE 802.16jリレーネットワークのための発見的手法に基づくタイムスロット割当アルゴリズムの比較評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.237-242, NS2013-217, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

2.4.2. 重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析に関する研究

重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析

IEEE 802.16j リレーネットワークにおけるリレーノード間リンクの通信品質は、同時に通信を行うリレーノードからの電波干渉に影響される。そのため、ネットワーク性能はリンクへのタイムスロット割り当てに強く依存する。また、リレーネットワーク性能は、雑音強度、減衰係数、ノード密度、送信電力などの要因にも影響される。本研究では、重回帰分析に基づくIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析を行う。具体的には、まず、リレーネットワークのスループットに影響を与えるパラメータを検討し、それらのパラメータを様々な値に設定したシミュレーションによってリレーネットワークのスループットを評価する。最後に、パラメータがスループットへ与える影響を重回帰分析結果に基づいて議論する。分析結果より、雑音強度、減衰係数、及び送信電力がリレーネットワークのスループットへの影響が大きいことを示す。

[関連資料]

  1. 重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析 重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析 (721 KB)

[関連発表]

  1. Kohei Higo, Go Hasegawa, Yoshiaki Tanigchi, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Multiple regression analysis of IEEE 802.16j relay network throughput,'' in Proceedings of the 16th International Conference on Advanced Communication Technology (ICACT 2014), pp.437-441, Pyeongchang, Korea, Feb. 2014.
  2. Kohei Higo, ``Performance study of IEEE 802.16j relay networks by multiple regression analysis,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  3. 肥後恒平, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.231-236, NS2013-216, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

2.4.3. ユーザ端末収容のためのタイムスロット割り当ての研究

ユーザ端末収容のためのタイムスロット割り当ての研究

IEEE 802:16j マルチホップリレーネットワークは、リレーノードがお互いに無線接続しツリー状のネットワークを構築することで、ネットワーク接続サービス範囲の容易な拡張を可能とする。リレーネットワークに接続するユーザ端末に外部ネットワークへのアクセス環境を提供する際には、 1 つあるいは複数のリレーノードがゲートウェイノードとなり、外部ネットワークと接続される。IEEE 802:16j では無線通信方式として時分割多元接続方式が用いられ、ネットワーク内のリンクに通信機会であるタイムスロットが割り当てられる。

IEEE 802:16j においては、リレーノードとユーザ端末の無線通信に割り当てられる周波数帯域はリレーノード間の無線通信に割り当てられる周波数帯域とは異なる。そのため、IEEE802.16j リレーネットワークにおけるタイムスロット割り当てに関する既存研究のほとんどは、リレーノードへのユーザ端末の収容については考慮せず、リレーノード及びゲートウェイノード間のリンクのみを対象としている。ユーザ端末とリレーノードの通信は 1 本の無線リンクを用いて行われるため、 1 台のリレーノードに接続されているユーザ端末は個別のタイムスロットを用いて通信を行うことが想定されている。しかし、近接しているが収容されているリレーノードが異なる複数のユーザ端末が同時に通信を行うと、収容されているリレーノードが異なるにもかかわらず、電波干渉が発生することが考えられる。この問題を避けるために、隣接するリレーノード間で異なる周波数帯域を用いることが考えられるが、その場合、電波資源の利用効率が低下し、ネットワーク性能が劣化する。したがって、リレーネットワーク全体の電波利用効率を高めるためには、隣接するリレーノードに同一の周波数帯域を割り当て、電波干渉を考慮してタイムスロットを割り当てることが求められる。

そこで本報告では、同一の周波数帯域が割り当てられた近接する複数のリレーノードとそれらに収容されるユーザ端末のリンク間へのタイムスロット割り当て手法の提案と性能評価を行う。具体的には、リンク間の干渉関係を詳細に評価することができるレイリーフェージング環境を前提とし、伝送品質に応じて伝送量が変動する適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当て手法を提案する。シミュレーションによる性能評価の結果、一定の伝送品質を確保した上で、電波資源の空間的再利用を行うことで、リレーノード 1 台あたり、かつ単位時間あたりの平均伝送量を最大で約 12% 改善できることを示す。また、リレーノード及びユーザ端末の分布として同一ネットワークトポロジの繰り返し構造を用いた評価方法を導入し、大規模リレーネットワーク環境の評価を簡易に行うことができることを示す。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16j リレーネットワークにおけるユーザ端末収容のためのタイムスロット割り当て手法の評価 IEEE 802.16j リレーネットワークにおけるユーザ端末収容のためのタイムスロット割り当て手法の評価 (2,014 KB)

2.4.4. 無線センサネットワークにおける受信電波強度に基づいた省電力情報伝播手法に関する研究

無線センサネットワークにおける受信電波強度に基づいた省電力情報伝播手法に関する研究

センサネットワークの主な課題の一つに、消費電力の抑制がある。センサネットワークの省電力化において、無線通信による電力消費を抑えることが重要である。定期的なメンテナンスを期待できない環境でバッテリーによって駆動するセンサノードにとって、限られた電力資源を有効に活用しネットワークの稼働時間を延ばすためには、無線通信による電力消費を抑える事が重要となる。

本研究では、無線センサネットワークにおける、消費電力を考慮した情報散布手法を提案した。提案手法は、フラッディング手法を基にした情報散布を行う。フラッディング手法は、新しい情報を受信したノードは、その情報を全ての隣接ノードへブロードキャスする一方、既に取得済みの情報を受信したノードは何も行わない。提案手法では、無線によりメッセージを受信したときの受信電力を用いて、メッセージのブロードキャスト時刻を制御する。一般的に、受信ノードから遠くのノードが送信された無線の電波ほど、伝搬損失のために、受信電力は小さくなる。このことを利用して、提案手法では、新しいメッセージを受信してブロードキャストするまでに、再度同じメッセージを受信した場合、ブロードキャストを取りやめる。これによって、提案手法は、送信ノードからより遠くにある受信ノードが、先にメッセージをブロードキャストする機会を持つことで、少ないブロードキャスト回数で情報を散布させることができる。

シミュレーションによる評価の結果、提案手法は、送信の際に、より大きな電力を用いて無線の送信距離を増加させることで、情報散布率が高い領域を広くすることができること、また、このときのネットワーク全体の消費電力量の増加が小さいことを示した。さらに、ノードをランダム配置したシミュレーションを行い、提案手法は、正方格子上に配置した場合と同様の性質を示すことを明らかにした。

[関連発表]

  1. 久松潤之, 長谷川剛, 村田正幸, ``無線センサネットワークにおける受信電波強度に基づいた省電力情報伝播手法の提案と評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.303, pp.41-46, IN2013-94, 熊本大学, 熊本, Nov. 2013. [paper]

2.4.5. モバイルネットワークにおける通信制御コスト削減のための端末集約手法の性能評価に関する研究

モバイルネットワークにおける通信制御コスト削減のための端末集約手法の性能評価に関する研究

M2M 通信端末を従来のモバイルネットワークに収容する場合、端末数が大量である一方、ARPU が低いため、大量のM2M 通信端末を従来のモバイルネットワークに収容すると、端末管理コストやネットワークの制御コストが増大する一方で、端末からコストを十分に回収できないことが考えられる。本研究では、通信端末を集約し、それに対して1 本のトンネルを設定し維持することで、システムが管理するトンネル数を削減し、コストの低減を可能とする端末集約手法の性能評価を行う。また、集約に伴って発生する通信失敗を削減する手法を提案する。数学的解析手法による評価の結果、通信失敗の確率を0.1%以下に抑制しつつ、通信制御コストを最大で約80% 削減できることを明らかにする。また、通信端末の通信頻度や通信時間に応じて、通信制御コストを最も削減するための最適な集約台数を導出することができることを示す。

[関連資料]

  1. M2M 通信端末のモバイルネットワークへの収容を目的としたコアネットワークの端末管理コスト削減手法 M2M 通信端末のモバイルネットワークへの収容を目的としたコアネットワークの端末管理コスト削減手法 (927 KB)

[関連発表]

  1. 櫻井駿, 長谷川剛, 若宮直紀, 岩井孝法, ``モバイルコアネットワークにおける通信制御コスト削減のための端末集約手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.56, pp.193-198, MoNA2013-10, 石垣市民会館, 沖縄, May 2013. [paper]
  2. Shun Sakurai, Go Hasegawa, Naoki Wakamiya and Takanori Iwai, ``Performance evaluation of tunnel sharing method for accommodating M2M communication in mobile cellular networks,'' in Proceedings of the International Workshop on Emerging Technologies for LTE-Advanced and Beyond-4G, Atlanta, USA, Dec. 2013.

2.5. 歩行者数計測に関する研究

近年、道路の通行量や建物、催し物会場等の入退場者数を把握するための人流計測の自動化に対する需要が高まっている。本研究では、カメラで取得した動画像あるいは単純なセンサを組み合わせることにより、人流を実時間、高精度に計測、追跡できる手法を検討している。

2.5.1. 動画像中の仮想ゲート通過人数推定に関する研究

動画像中の仮想ゲート通過人数推定に関する研究

近年、動画像フレームから得られたオプティカルフロー数に基づき混雑環境下における歩行者密度を推定する手法が注目を集めている。本研究では、混雑環境下において、動画像中に設定した直線状の仮想ゲートを通過する歩行者数をオプティカルフロー検出に基づき推定する手法を提案する。提案手法では、動画像フレームから得られるオプティカルフローのうち、仮想ゲートを跨ぐように抽出されるオプティカルフローを仮想ゲートを通過する歩行者数の推定に用いる。また、誤検出や背景画像から抽出されたと考えられるオプティカルフローを削除することにより、推定精度の向上を図る。複数の実動画像を用いた評価を行い、仮想ゲートを通過したオプティカルフロー数と歩行者数との相関係数が0.856 以上になることを示す。また、提案手法を用いることにより、歩行者数推定の平均相対誤差が0.068 以下となることを示す。

[関連資料]

  1. オプティカルフロー検出に基づく混雑環境下における仮想ゲート通過人数推定手法 オプティカルフロー検出に基づく混雑環境下における仮想ゲート通過人数推定手法 (790 KB)

[関連発表]

  1. Miki Mizushima, Yoshiaki Tanigchi, Go Hasegawa, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Counting pedestrians passing through a line in video sequences based on optical flow extraction,'' in Proceedings of the 12th International Conference on Circuits, Systems, Electronics, Control & Signal Processing (CSECS 2013), pp.129-136, Budapest, Hungary, Dec. 2013. [paper]
  2. Miki Mizushima, ``Counting pedestrians passing through a line in crowded scenes by extracting optical flows,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  3. 水嶋未来, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``オプティカルフロー検出に基づく混雑環境下における仮想ゲート通過人数推定手法,'' 画像電子学会第269回研究会講演予稿集, pp.133-139, 広島市立大学, 広島, Feb. 2014.

2.5.2. 動画像中の歩行者密度推定に関する研究

動画像中の歩行者密度推定に関する研究

施設内の安全管理やマーケティング調査、歩行者の混雑を回避するナビゲーションなどを目的として、歩行者数の計測を自動で行うシステムに対する需要が高まっている。特に、近年のコンピュータ性能の向上により、様々な動画像処理が実時間で処理可能となったことから、カメラで撮影した動画像を利用した歩行者数計測が注目されている。

動画像中の歩行者数計測のための既存手法として、特徴点と呼ばれる、画像中の色や濃淡の変化が激しい点の数から歩行者数を計測する手法が提案されている。この手法は、動画像の各フレームにおける特徴点数と領域内を移動する歩行者数が線形の関係にあるという仮定に基づいている。しかし、動画像中の歩行者数が多い場合、複数の歩行者が動画像上で重なるオクルージョンが多く発生し、画面奥に位置する歩行者の一部が隠れることにより、それらの歩行者に対する特徴点数は大きく減少する。そのため、特徴点数と歩行者数の関係は線形ではなくなり、計測精度が低下する。

本研究では、オクルージョンの発生が動画像中の歩行者数の計測精度に与える影響を明らかにする。そのために、まず、実動画像から抽出した、オクルージョンのない歩行者の特徴点分布に基づいた歩行者モデルを構築する。次に、歩行者モデルを仮想領域に配置するシミュレーションを行うことで、歩行者密度の高くオクルージョンが多く発生する環境における、特徴点数と歩行者数の関係を明らかにする。さらに、得られた関係を用いて歩行者数を推測することで、歩行者数の計測精度を向上させる手法を提案する。複数の実動画像を用いた性能評価の結果、提案手法を用いることにより、既存手法と比較して計測精度が最大40%改善することを示す。

[関連発表]

  1. 橋本和幸, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, ``オクルージョンが与える影響を考慮した動画像中の特徴点数に基づく歩行者数計測手法,'' 2013年度画像電子学会年次大会予稿集, 5 pages, リンクステーションホール青森, 青森, June 2013.
  2. Kazuyuki Hashimoto, Yoshiaki Tanigchi, Go Hasegawa, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Pedestrian counting based on the number of salient points considering non-linear effect of occlusions,'' in Proceedings of the 12th International Conference on Circuits, Systems, Electronics, Control & Signal Processing (CSECS 2013), pp.26-33, Budapest, Hungary, Dec. 2013. [paper]

2.5.3. 複眼センサを用いた歩行者推定に関する研究

複眼センサを用いた歩行者推定に関する研究

商業施設やイベント会場における来客数調査、駅周辺の通路における通行人数調査、工事現場でのセキュリティモニタリングなどの様々な分野で歩行者計数に対する需要がある。手動による歩行者計数は人件費が高く、人通りが多い状況では精度が低下するといった問題点があり、歩行者数の推定を自動化する技術が注目を集めている。特に、バイナリセンサは自身のセンシング領域内の歩行者の有無のみを検出する単純なセンサではあるが、他のセンサと比較して安価であり、消費電力が小さく電池駆動も可能であることから、無線通信機器とバイナリセンサを有する端末を用いてセンサネットワークを構築し、歩行者計数へ応用することが期待される。従来のバイナリセンサを用いた歩行者計数システムにおいては、多数の歩行者が行き交う混雑状況下での精度向上が課題である。

本研究では、2 種類の環境において複数のバイナリセンサを使用して移動方向別の歩行者数を推定する手法を提案する。まず、廊下のように歩行者が2 方向に移動するような屋内環境を対象として、移動方向別の歩行者数を推定する手法を提案する。この提案手法では、赤外線センサのようなバイナリセンサを複数個、歩行者の移動方向に沿って直線配置することにより構成したセンサを使用する。次に、街の商店街や繁華街の歩道のように、より幅の広い歩行者が2 方向へ移動するような環境を対象として、移動方向別の歩行者数を推定する手法を提案する。この提案手法では、ピエゾセンサのようなマット型のバイナリセンサを格子状に敷き詰めることにより構成したセンサを使用する。これらの提案手法では、歩行者がセンサのセンシング領域を通過することによって得られるセンシング情報はモニタリングサーバに収集され、モンテカルロ法に基づいた手法で歩行者数の推定を行う。具体的には、センサが歩行者を検出している間の歩行者数を推定するために、仮想歩行者の生成と移動を行う複数回のモンテカルロシミュレーションを行い、各シミュレーションにおける仮想センサのセンシング情報を得る。得られたシミュレーション結果の中から、実際のセンサのセンシング情報と仮想センサのセンシング情報との差が小さいシミュレーション結果における歩行者数を推定歩行者数として採用する。

本研究では、複眼センサのパラメータや歩行者の到着率、シミュレーション試行の回数、バイナリセンサ数等を変化させた性能評価を行った。1 つ目の手法では、既存手法との比較評価を行い、複数の歩行者が通過する状況下において推定歩行者数に対する相対誤差が45%減少することを示した。また、2 つ目の手法では、道幅が8 [m] の状況において、2×8 個のバイナリセンサを配置することで相対誤差の値が最小となることを示した。

[関連資料]

  1. 格子状に配置したバイナリセンサを用いたモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法 格子状に配置したバイナリセンサを用いたモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法 (1,346 KB)

[関連発表]

  1. Shuto Fujii, Yoshiaki Taniguchi, Go Hasegawa and Hirotaka Nakano, ``Monte Carlo-based bidirectional pedestrian counting method for compound-eye sensor systems,'' Journal of Emerging Trends in Computing and Information Sciences, vol.4, pp.48-57, Apr. 2013. [paper]
  2. 藤井崇渡, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``複数のバイナリセンサを用いた複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.132, pp.183-188, ASN2013-81,アクトシティ浜松, 静岡, July 2013. [paper]
  3. Shuto Fujii, ``Pedestrian counting based on Monte Carlo method with binary sensors,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  4. 藤井崇渡, 谷口義明, 長谷川剛, 松岡茂登, ``格子状に配置したバイナリセンサを用いた歩行者数推定手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.67-72, NS2013-188, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]

3. 発表論文一覧

3.1. 学術論文誌掲載論文

  1. Shuto Fujii, Yoshiaki Taniguchi, Go Hasegawa and Hirotaka Nakano, ``Monte Carlo-based bidirectional pedestrian counting method for compound-eye sensor systems,'' Journal of Emerging Trends in Computing and Information Sciences, vol.4, pp.48-57, Apr. 2013. [paper]
  2. Xun Shao, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, ``The implications of overlay routing for ISPs' peering strategies,'' IEICE Transactions on Information and Systems, vol.E96-D, no.5, pp.1115-1124, May 2013. [paper]
  3. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``An application-level routing method with transit cost reduction based on a distributed heuristic algorithm,'' IEICE Transactions on Communications, vol.E96-B, no.6, pp.1481-1491, June 2013. [paper]
  4. Yoshiaki Taniguchi, Go Hasegawa and Hirotaka Nakano, ``Self-organizing transmission scheduling considering collision avoidance for data gathering in wireless sensor networks,'' Journal of Communications, vol.8, no.6, pp.389-397, June 2013. [paper]
  5. Go Hasegawa, Yuuki Ise, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, ``Effect of radio wave obstruction by obstacles on performance of IEEE 802.16j wireless multi-hop relay networks,'' International Journal on Advances in Networks and Services, vol.6, no.1-2, pp.17-26, June 2013. [paper]
  6. Yoshiaki Taniguchi, Masahiro Sasabe, Satoshi Aihara and Hirotaka Nakano, ``Bayesian estimation-based pedestrian tracking in microcells,'' The Scientific World Journal, vol.2013, article ID 187479, 10 pages, Sep. 2013. [paper]
  7. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``SCTP tunneling: Flow aggregation and burst transmission to save energy for multiple TCP flows over a WLAN,'' IEICE Transactions on Communications, vol.E96-B, no.10, pp.2615-2624, Oct. 2013. [paper]
  8. 多田知正, 村田正幸, 長谷川剛, 馬場崎忠利, 中村二朗, 松岡茂登, 松田和浩, ``ルータにおけるキャッシングがネットワークの消費電力に与える影響の評価,'' 電子情報通信学会論文誌, vol.J96-B, no.11, pp.1260-1271, Nov. 2013. [paper]
  9. Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, ``Modeling and evaluation of a ceiling-mounted compound-eye sensor,'' Information, vol.17, no.2, pp.663-676, Feb. 2014.

3.2. 解説論文・記事

  1. 松岡茂登, ``子供に教えたい通信のしくみ スマートグリッド,'' 電子情報通信学会通信ソサイエティマガジン, no.25, pp.4-5, June 2013. [article]

3.3. 国際会議発表

  1. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``A distributed measurement method exploiting path overlapping in large scale network systems,'' in Proceedings of the 1st Workshop on Large Scale Network Measurements (31st NMRG meeting), Zurich, Switzerland, Oct. 2013. [slide]
  2. Daisuke Kobayashi, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``End-to-end bandwidth measurement method considering effects on power-saving routers,'' in Proceedings of the 2013 Australasian Telecommunications Networks and Applications Conference (ATNAC 2013), pp.112-117, Christchurch, New Zealand, Nov. 2013. [paper]
  3. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``Monitoring available bandwidth in overlay networks using local information exchange,'' in Proceedings of the 2013 Australasian Telecommunications Networks and Applications Conference (ATNAC 2013), pp.172-177, Christchurch, New Zealand, Nov. 2013. [paper]
  4. Kazuyuki Hashimoto, Yoshiaki Tanigchi, Go Hasegawa, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Pedestrian counting based on the number of salient points considering non-linear effect of occlusions,'' in Proceedings of the 12th International Conference on Circuits, Systems, Electronics, Control & Signal Processing (CSECS 2013), pp.26-33, Budapest, Hungary, Dec. 2013. [paper]
  5. Miki Mizushima, Yoshiaki Tanigchi, Go Hasegawa, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Counting pedestrians passing through a line in video sequences based on optical flow extraction,'' in Proceedings of the 12th International Conference on Circuits, Systems, Electronics, Control & Signal Processing (CSECS 2013), pp.129-136, Budapest, Hungary, Dec. 2013. [paper]
  6. Shun Sakurai, Go Hasegawa, Naoki Wakamiya and Takanori Iwai, ``Performance evaluation of tunnel sharing method for accommodating M2M communication in mobile cellular networks,'' in Proceedings of the International Workshop on Emerging Technologies for LTE-Advanced and Beyond-4G, Atlanta, USA, Dec. 2013.
  7. Shoichi Takagi, Go Hasegawa, Yoshiaki Tanigchi, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Comparative evaluation of heuristics for time slot assignment in IEEE 802.16j relay networks,'' in Proceedings of the 7th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU 2014), pp.83-84, Bras Basah, Singapore, Jan. 2014. (Poster)
  8. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa and Masayuki Murata, ``Cooperative cache sharing among ISPs for reducing inter-ISP transit cost in content-centric networking,'' in Proceedings of the 28th International Conference on Information Networking (ICOIN 2014), pp.208-213, Phuket, Thailand, Feb. 2014.
  9. Kohei Higo, Go Hasegawa, Yoshiaki Tanigchi, Hirotaka Nakano and Morito Matsuoka, ``Multiple regression analysis of IEEE 802.16j relay network throughput,'' in Proceedings of the 16th International Conference on Advanced Communication Technology (ICACT 2014), pp.437-441, Pyeongchang, Korea, Feb. 2014.

3.4. 口頭発表(国内研究会など)

  1. 長谷川剛, 村田正幸, ``生物ネットワークの縮退特性に基づくシステム冗長化方式における自律的障害回復手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.4, pp.31-36, NS2013-7, 輪島商工会議所, 石川, Apr. 2013. [paper]
  2. 小林大翼, 長谷川剛, 村田正幸, ``省電力ルータに与える負荷を考慮したエンド間帯域計測手法の提案,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.35, pp.83-88, NS2013-27, 総研大, 神奈川, May 2013. [paper]
  3. 櫻井駿, 長谷川剛, 若宮直紀, 岩井孝法, ``モバイルコアネットワークにおける通信制御コスト削減のための端末集約手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.56, pp.193-198, MoNA2013-10, 石垣市民会館, 沖縄, May 2013. [paper]
  4. 松岡茂登, ``情報通信分野における課題と展望,'' 第200回有機エレクトロニクス材料研究会「我が国のエレクトロニクスにおける現状課題を真正面から考える」, 新宿NSビル, 東京, June 2013.
  5. 橋本和幸, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, ``オクルージョンが与える影響を考慮した動画像中の特徴点数に基づく歩行者数計測手法,'' 2013年度画像電子学会年次大会予稿集, 5 pages, リンクステーションホール青森, 青森, June 2013.
  6. 藤井崇渡, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``複数のバイナリセンサを用いた複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.132, pp.183-188, ASN2013-81,アクトシティ浜松, 静岡, July 2013. [paper]
  7. 通阪航, 長谷川剛, 村田正幸, ``データレート選択を考慮したマルチホップ無線LANの消費電力量解析,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  8. 坪内佑樹, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``TCP/IPスタックにおけるチェックサム計算のGPUオフロードによる性能向上手法,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  9. 藤井崇渡, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``複数のバイナリセンサを用いた歩行者数推定手法の性能評価,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  10. 高木祥一, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるタイムスロット割当のための発見的手法の比較評価,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  11. 桜井駿, 長谷川剛, 若宮直紀, 岩井孝法, ``M2M通信端末のモバイルネットワークへの収容を目的としたコアネットワークの端末管理コスト削減手法,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  12. 水嶋未来, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``オプティカルフロー数に基づく動画像中の仮想ゲート通過人数推定に関する一考察,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  13. 肥後恒平, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``IEEE 802.16jリレーネットワークにおいてスループットに影響を与える通信環境パラメータの重回帰分析を用いた解析,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  14. 橋本和幸, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``動画像中の特徴点に基づく歩行者のモデル化と歩行者数計測への適用,'' インターネット技術第163委員会新世代ネットワーク構築のための基盤技術研究分科会ワークショップ (ITRC-NWGN 2013), 紀三井寺ガーデンホテルはやし, 和歌山, Sep. 2013. (ポスター講演)
  15. Dinh Tien Hoang, 長谷川剛, 村田正幸, ``オーバレイネットワークにおける経路重複の推定に基づく分散型利用可能帯域計測手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.205, pp.1-6, NS2013-71, 東北大学, 宮城, Sep. 2013. [paper]
  16. 橋本匡史, 長谷川剛, 村田正幸, ``無線LANにおける省電力TCPデータ転送方式の実験評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.208, pp.113-118, CQ2013-47, 金沢工業大学, 石川, Sep. 2013. [paper]
  17. 松岡茂登, ``エネルギーセントリックデータセンター,'' 西日本ICTフォーラム2013, マイドームおおさか, 大阪, Sep. 2013.
  18. 坪内佑樹, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``TCP/IPスタックにおけるチェックサム計算のGPUオフロードによる性能向上手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.244, pp.67-72, NS2013-101, 北海道大学, 北海道, Oct. 2013. (ポスター講演) [paper]
  19. 鯉谷和正, 長谷川剛, 村田正幸, ``ネットワークパス上の複数区間の利用可能帯域計測手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.292, pp.11-16, NS2013-117, 福江文化会館, 長崎, Nov. 2013. [paper]
  20. 久松潤之, 長谷川剛, 村田正幸, ``無線センサネットワークにおける受信電波強度に基づいた省電力情報伝播手法の提案と評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.303, pp.41-46, IN2013-94, 熊本大学, 熊本, Nov. 2013. [paper]
  21. 岩井孝法, 長谷川剛, 若宮直紀, ``モバイルコアネットワークへアクセス負荷を平滑化するためのバックオフ機構の拡張,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.398, pp.67-72, MoNA2013-60, ホテル奥道後, 愛媛, Jan. 2014. [paper]
  22. 水嶋未来, 谷口義明, 長谷川剛, 中野博隆, 松岡茂登, ``オプティカルフロー検出に基づく混雑環境下における仮想ゲート通過人数推定手法,'' 画像電子学会第269回研究会講演予稿集, pp.133-139, 広島市立大学, 広島, Feb. 2014.
  23. 藤井崇渡, 谷口義明, 長谷川剛, 松岡茂登, ``格子状に配置したバイナリセンサを用いた歩行者数推定手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.67-72, NS2013-188, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  24. 童チイリン, 長谷川剛, 村田正幸, 松岡茂登, ``Websocket技術を用いてASPサービス化したHEMSの性能評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.91-96, NS2013-192, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  25. 菅沼孝二, 出口孝明, 谷口義明, 長谷川剛, 中村泰, 浮田宗伯, 松田和浩, 松岡茂登, ``サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.185-190, NS2013-208, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  26. 出口孝明, 谷口義明, 長谷川剛, 中村泰, 浮田宗伯, 松田和浩, 松岡茂登, ``データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.191-196, NS2013-209, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  27. 肥後恒平, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``重回帰分析を用いたIEEE 802.16j リレーネットワークのスループット解析,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.231-236, NS2013-216, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  28. 高木祥一, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, 松岡茂登, ``IEEE 802.16jリレーネットワークのための発見的手法に基づくタイムスロット割当アルゴリズムの比較評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.472, pp.237-242, NS2013-217, シーガイア, 宮崎, Mar. 2014. [paper]
  29. 森本顕, 長谷川剛, 村田正幸, ``エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験的評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.1-6, ICM2013-50, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]
  30. 飯島優介, 長谷川剛, 村田正幸, ``オーバレイネットワークにおける空間的合成に基づくパケット廃棄率計測手法の精度向上,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.7-12, ICM2013-51, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]
  31. 添亮太, 長谷川剛, 村田正幸, ``生物ネットワークの縮退特性を応用したデータセンタの仮想マシン配置における頑強な冗長化手法,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.113, no.492, pp.31-36, ICM2013-55, イーフ情報プラザ, 沖縄, Mar. 2014. [paper]
  32. 松岡茂登, ``スマートグリッドとICT,'' ICTスマートグリッドシンポジウム 2014, 株式会社三菱総合研究所, 東京, Mar. 2014. (基調講演)

3.5. 博士論文・修士論文・特別研究報告

3.5.1. 博士論文

該当なし

3.5.2. 修士論文

  1. Yusuke Iijima, ``Measuring packet loss ratio on overlay networks based on spatial composition,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  2. Shoichi Takagi, ``Performance evaluation of heuristic algorithms for time slot assignment in IEEE 802.16j relay networks,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  3. Kohei Higo, ``Performance study of IEEE 802.16j relay networks by multiple regression analysis,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  4. Shuto Fujii, ``Pedestrian counting based on Monte Carlo method with binary sensors,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.
  5. Miki Mizushima, ``Counting pedestrians passing through a line in crowded scenes by extracting optical flows,'' Master's Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2014.

3.5.3. 特別研究報告

  1. 菅沼孝二, ``サーバへのタスク配置がデータセンタの総消費電力に与える影響の評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  2. 添亮太, ``生物の縮退特性によるロバスト性を利用したデータセンタの低消費電力化のための仮想マシン配置法,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  3. 出口孝明, ``データセンタにおける空調機の消費電力を削減するためのサーバへのタスク配置手法の性能評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  4. 童チイリン, ``WebSocket技術を用いたクラウド型エネルギー管理システムの性能評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.
  5. 森本顕, ``エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法の実験評価,'' 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2014.