大阪大学サイバーメディアセンター先端ネットワーク環境研究部門
(大阪大学大学院情報科学研究科ユビキタスネットワーク講座)
2011年度研究成果報告

本Webページは大阪大学サイバーメディアセンター先端ネットワーク環境研究部門(大阪大学大学院情報科学研究科ユビキタスネットワーク講座、中野研究室)の2011年度の研究成果をまとめた報告書です。ご清覧いただき、忌憚のない意見を下されば幸いです。

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目次

  1. メンバー
    1. スタッフ
    2. 共同研究者
    3. 学生
  2. 研究業績
    1. 無線メッシュネットワークに関する研究
      1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当てに関する研究
      2. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法に関する研究
      3. IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法に関する研究
      4. 観測可能ノードが制限される無線メッシュネットワークに対するグラフ彩色法による適応的リンクスケジューリングに関する研究
      5. IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるノード位置の調整による通信性能改善に関する研究
      6. 障害物が電波伝搬に与える影響を考慮したIEEE 802.16jリレーネットワークの性能評価に関する研究
    2. オブジェクトの追跡と計数に関する研究
      1. 動画像処理に基づく歩行者計数に関する研究
      2. H.264/AVCビデオストリームを用いた歩行者計数に関する研究
      3. 動画像中の仮想ゲート通過人数計数に関する研究
      4. 複眼センサを用いた歩行者計数に関する研究
    3. オーバレイネットワークアーキテクチャに関する研究
      1. オーバレイルーティングによって増加する ISP 間トランジットコストの削減に関する研究
      2. 大規模ネットワーク障害に対応可能なオーバレイルーティング手法に関する研究
      3. オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究
      4. オーバレイルーティングがISPの接続戦略に与える影響に関する研究
    4. 次世代高速トランスポートプロトコルに関する研究
      1. TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究
      2. 無線マルチホップネットワークにおける省電力手法がネットワーク性能に与える影響に関する研究
      3. 省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究
      4. ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究
      5. TCP送信を前提としたビデオストリーミング方式に関する研究
      6. トランスポートプロトコルの改良によるシンクライアントシステムの性能向上に関する研究
      7. 電力消費を考慮した広域分散コンピューティング環境に関する研究
  3. 発表論文一覧
    1. 著書
    2. 学術論文誌
    3. 国際会議会議録
    4. 口頭発表
    5. 博士論文・修士論文・特別研究報告
      1. 博士論文
      2. 修士論文
      3. 特別研究報告

1. メンバー

1.1. スタッフ

中野 博隆
中野 博隆
教授
長谷川 剛
長谷川 剛
准教授
谷口 義明
谷口 義明
助教
大西 麻理
大西 麻理
秘書

1.2. 共同研究者

村田 正幸
村田 正幸
大阪大学
情報科学研究科
教授

1.3. 学生

倉掛 正治
倉掛 正治
博士後期課程3年
小桐 康博
小桐 康博
博士後期課程3年
Xun Shao
Xun Shao
博士後期課程2年
橋本 匡史
橋本 匡史
博士後期課程2年
松田 一仁
松田 一仁
博士後期課程2年
伊勢 悠輝
伊勢 悠輝
博士前期課程2年
小林 大翼
小林 大翼
博士前期課程2年
重藤 隆文
重藤 隆文
博士前期課程2年
藤澤 志寿加
藤澤 志寿加
博士前期課程2年
北山 智也
北山 智也
博士前期課程1年
通阪 航
通阪 航
博士前期課程1年
三根 量輔
三根 量輔
博士前期課程1年
飯島 優介
飯島 優介
学部4年
高木 祥一
高木 祥一
学部4年
肥後 恒平
肥後 恒平
学部4年
藤井 崇渡
藤井 崇渡
学部4年
水嶋 未来
水嶋 未来
学部4年

2. 研究業績

2.1. 無線メッシュネットワークに関する研究

山間部や離島など、有線ネットワークの敷設が困難な地域において無線接続環境を提供することのできる無線メッシュネットワークは、経済性、拡張性に優れることから、大きな注目を集めている。無線メッシュネットワークは、有線ネットワークへの接続機能を持つゲートウェイノードと複数のメッシュノードが無線でマルチホップ接続されることにより構成される。利用者端末は近隣のメッシュノードを介してネットワークに接続する。特に無線メッシュネットワークのうち、ゲートウェイを根とするツリー状のトポロジを構築するものをリレーネットワークという。本研究では、無線メッシュネットワーク、特にIEEE 802.16jマルチホップリレーネットワークを対象として、その性能を改善するための手法および性能評価に取り組んでいる。

[関連資料]

  1. Performance improvement of TDMA-based wireless mesh networks Performance improvement of TDMA-based wireless mesh networks (2,484 KB)

2.1.1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当てに関する研究

IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当てに関する研究

IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークは、リレーノード同士が無線接続して構成される無線ネットワークである。無線ネットワークにおいて、リンク通信時の信号対干渉比に応じて変調方式を選択することで、伝送品質を確保しながらデータ伝送量を改善する適応変調符号化方式がある。しかし、IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークにおけるタイムスロット割り当てに関する既存研究においては、適応変調符号化方式を前提とした性能評価や、性能改善手法に関する検討を行っている例はない。そこで本研究では、リレーノード間の伝送において適応変調符号化を適用することを考慮した、IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークのタイムスロット割り当て手法を提案する。提案手法は、リンクの伝送品質に応じて割り当てタイムスロット数を調整することで、ネットワーク性能を改善する手法である。性能評価の結果、提案手法を用いることで、データ転送スループットが最大約50%改善することを示した。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当て手法の提案と評価 IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当て手法の提案と評価 (276 KB)

[関連発表論文]

  1. 北山智也, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当て手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-20), vol.111, no.67, pp.13-18, May 2011. [paper]

2.1.2. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法に関する研究

IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法に関する研究

IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークは、ゲートウェイノードおよびリレーノードが無線接続によってツリー状のネットワークを構築することで、広範囲でのネットワーク接続サービスを可能とする。ユーザ端末は通信エリア内に存在するリレーノードに接続され、マルチホップ通信を行いゲートウェイノードと通信を行うことで、外部ネットワークに到達することができる。IEEE 802.16j 規格においては、電波干渉を避けるために、ノード間のリンクに対して通信機会であるタイムスロットを割り当てる時分割多重アクセス(TimeDivision Multiplexing Access: TDMA) 方式が用いられている。リンクは割り当てられたタイムスロットでのみ通信を行うことができるため、同時に通信すると電波干渉が発生する複数のリンクに異なるタイムスロットを割り当てることで、電波干渉を避けることができる。

一方、無線リンクの符号化に、通信品質に応じて伝送速度を変化させる適応変調符号化を用いる場合、同じタイムスロットが割り当てられているリンクが同時に通信を行うことにより、通信品質が低下すると、リンクの伝送速度が低下する。このとき、リンクにかかるトラヒック負荷を処理するために十分な伝送速度を確保するためには、リンクに割り当てるタイムスロット数を増加することが有効であると考えられるが、同時にフレームサイズの増大を引き起こすため、リンクの単位時間あたりの伝送量が効果的に増加しないことが考えられる。IEEE 802.16j ネットワークのタイムスロット割り当てに関する既存研究の多くは、リンクの干渉関係を簡易なモデルに基いて取り扱っているため、このような電波干渉と伝送速度の関係を考慮することができない。したがって、より正確な干渉関係を把握し、伝送速度との関係を評価できるようなモデルを前提とした、タイムスロット割り当て手法が求められる。

本研究では、より現実に近い環境を想定したリンクの干渉関係を決定することができるレイリーフェージング環境を前提とした、タイムスロット割り当て手法を提案した。提案手法では、レイリーフェージング環境におけるリンクの動的な干渉関係の変化を考慮したタイムスロット割り当てを行う。具体的には、リンクへのタイムスロット割り当ての過程におい1て、複数リンクの同時通信よる通信品質の低下をモデルを用いて推定し、リンクのトラヒック要求量に応じた伝送速度を確保できない場合には、リンクへ割り当てるタイムスロット数を増加する。これにより、全てのリンクが、トラヒック要求量に応じた伝送速度を確保できるようなタイムスロット割り当てを行う。

提案手法の性能評価は、全てのリンクへ割り当てたタイムスロット総数、すなわちフレームサイズを評価指標としたシミュレーションによって行った。特に、通信品質に関する条件と、タイムスロット割り当ての結果であるフレームサイズの関係を定量的に評価した。その結果、リンクの通信品質に対する条件を調整することによって、トラヒック要求量に応じたタイムスロットを各リンクに与えつつ、フレームサイズを小さく維持できることがわかった。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法 IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法 (218 KB)

[関連発表論文]

  1. 肥後恒平, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.

2.1.3. IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法に関する研究

IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法に関する研究

IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークは、ゲートウェイノードと複数のリレーノードが無線通信によりツリー状のネットワークを構築することで、広範囲に無線ブロードバンド環境を提供することが可能である。IEEE 802.16j では、時分割多重アクセス方式が用いられる。すなわち、ネットワーク内のリンクにタイムスロットと呼ばれる通信機会が割り当てられ、リンクは割り当てられたタイムスロットにおいてのみ通信を行う。そのため、複数のリンクが同時に通信を行うことによって電波干渉が発生することを避けるように、ネットワーク内のリンクへタイムスロットを与えることで、干渉を避けたデータ伝送を行うことができる。この際、電波干渉を避けるために多くのタイムスロットを用いると、フレームサイズと呼ばれるタイムスロットの総数が増加し、各リンクの単位時間あたりの伝送機会が減少する。一方、同時に通信を行ってもお互いに干渉しない複数のリンクに、同じタイムスロットを割り当てることで、フレームサイズを小さくすることができる。このようなタイムスロット割当を行うには、リンクの干渉関係を把握することが重要である。

IEEE 802.16j リレーネットワークにおけるタイムスロット割当に関する既存研究の多くにおいては、リンクの干渉関係を決定するために、プロトコル干渉モデルと呼ばれる簡易なモデルが用いられている。このモデルは、干渉の有無をノード間の距離のみに応じて二値的に判断することで、タイムスロット割当等の問題を容易に取り扱えるという利点を持つ。しかし、より現実に近い干渉判断を行うためには、受信電波と干渉電波の強さの比である信号対干渉比を考慮することが有効である。また、リンクが割り当てられたタイムスロットにおける伝送量を、信号対干渉比に応じて動的に変更することも、ネットワーク性能を向上させるために有効である。しかし、プロトコル干渉モデルではこれらを考慮することができない。したがって、より詳細な電波干渉モデルを前提としたタイムスロット割当手法や、それを基にしたリレーネットワークの性能評価が求められる。

本研究では、詳細な電波干渉関係を得ることができるモデルを前提とした、IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるタイムスロット割当手法において重要となる、タイムスロットを割り当てるリンクの順序を決定する手法を提案した。提案手法では、ネットワーク内の全てのリンクが同時に伝送を行ったと仮定した際の、各リンクの伝送品質をモデルに基づき推定し、それを基にタイムスロットを割り当てるリンクの順序を決定する。リンクの伝送品質を考慮して決定した割当順序に基づいてタイムスロット割当を行うことにより、フレームサイズを小さくすることができる。

提案手法の性能評価は、フレームサイズを指標とし、プロトコル干渉モデルで用いられるタイムスロット割当順序決定手法との比較をすることによって行った。評価の結果、提案手法を用いることで、フレームサイズを比較手法により最大で10%小さくできることを示した。また、ランダムに決定した順序に基づくタイムスロット割当を繰り返し、最小のフレームサイズが得られる順序を選択する手法との比較を行い、提案手法はランダムな手法よりもわずかに大きなフレームサイズを与えるが、計算時間が短いことを示した。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法 IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法 (139 KB)

[関連発表論文]

  1. 高木祥一, “IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.

2.1.4. 観測可能ノードが制限される無線メッシュネットワークに対するグラフ彩色法による適応的リンクスケジューリングに関する研究

観測可能ノードが制限される無線メッシュネットワークに対するグラフ彩色法による適応的リンクスケジューリングに関する研究

限られた電波資源を有効に使うためにメッシュネットワークの性能向上は重要な課題である。本研究では、重み付きグラフ彩色法によるメッシュネットワークのリンクスケジューリング法を、要求通信量の変動へ適応的に追随できるように拡張する。この拡張により、適応的なスケジューリングを行わない従来手法に比較して、追随できる要求通信量の変動限界が約2倍に拡大できることを示した。更に、要求通信量の観測が一部のノード群に制限される場合の影響を評価した。この結果、干渉が多く発生し得るノードより、変動前の要求通信量が大きいノードを観測対象にすることが、変動追随に有効であることを示した。

[関連発表論文]

  1. Shoji Kurakake, “Control methods for wireless-mesh-network link-scheduling adaptive to traffic changes and application selection adaptive to user activities,” Ph.D. Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, July 2011. [thesis]
  2. 倉掛正治, 小桐康博, 中野博隆, “観測可能ノードが制限される無線メッシュネットワークに対するグラフ彩色法による適応的リンクスケジューリング,” 電子情報通信学会論文誌, vol.J94-D, no.11, pp.1876-1887, Nov. 2011. [paper]

2.1.5. IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるノード位置の調整による通信性能改善に関する研究

IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるノード位置の調整による通信性能改善に関する研究

IEEE 802.16j は、都市部や有線ネットワークの敷設が困難な地域に対して高速無線アクセス環境を提供することが可能な技術として非常に注目されている。IEEE 802.16j に基づくマルチホップリレーネットワークでは、リレーノードの位置とネットワークトポロジがその性能に大きな影響を与える。特に、ノード位置を決定する際にはノード間の電波干渉関係を考慮する必要があるが、ノードを設置できる領域は限られており、任意の場所に設置できることは稀である。例としては、一般的に都市部においてノードは建物の屋上に設置され、屋上の範囲内でのみ移動させることができる。無線センサネットワークでは、被覆領域の向上やネットワーク寿命の延長を目的とした様々なノード再配置手法が提案されている。しかしながら、高速データ通信を目的としたネットワークにおいてノード配置を決定する際には、通信効率の向上も重要となる。

本研究では、IEEE 802.16j マルチホップリレーネットワークの性能向上を目的とした、ノードの移動可能範囲の制限を考慮したノード位置調整手法を提案する。位置調整を行う際、全ノードに対して位置調整を試みるためには膨大な計算時間が必要となるため、提案手法ではノード間の距離情報に基づいて調整候補ノード数を制限する。また、複数ノードの位置調整を行う際、全てのノードの移動の組み合わせに対して位置調整を試行するためには膨大な計算時間が必要となるため、発見的手法のひとつである山登り法を用いて計算時間を削減する。

提案手法によるネットワーク性能向上の効果をシミュレーション実験により評価し、全体の30%のノードを僅かに移動させることで最大28%の性能向上が得られることを示した。また、全探索による最適解と比較して非常に短時間でほぼ同等の性能向上が得られることを示した。さらに、提案手法を用いて多数のノードの位置調整 を行うことによって、全探索によって少数のノードの位置調整より高い性能向上が得られることを示した。

[関連資料]

  1. IEEE 802.16jリレーネットワークにおける移動ノード数を制限した効率的なノード位置調整手法 IEEE 802.16jリレーネットワークにおける移動ノード数を制限した効率的なノード位置調整手法 (732 KB)

[関連発表論文]

  1. Takafumi Shigefuji, “Effective node repositioning method with limitation of the number of repositioned nodes for IEEE 802.16j relay networks,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  2. 重藤隆文, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるノード間距離を考慮したノード位置調整手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-241), vol.111, no.468, pp.345-350, Mar. 2012. [paper]
  3. Takafumi Shigefuji, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Node repositioning method based on topology information in IEEE 802.16j relay networks,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), pp.57-62, Mar. 2012. [paper]

2.1.6. 障害物が電波伝搬に与える影響を考慮したIEEE 802.16jリレーネットワークの性能評価に関する研究

障害物が電波伝搬に与える影響を考慮したIEEE 802.16jリレーネットワークの性能評価に関する研究

IEEE 802.16j リレーネットワークでは、ネットワーク全体のトポロジや電波干渉関係に変化をもたらす障害物の存在はネットワーク性能に大きな影響を及ぼす。例えば、近隣ノードと通信が可能であったノードが、障害物が存在することによってどのノードとも通信できず、ネットワークから孤立することが考えられる。その結果、ゲートウェイノードへの経路をもつノード数が減少し、リレーネットワークがユーザ端末に対して提供できるサービス面積の減少につながる。一方、障害物によって各ノードが近隣ノードに与える電波干渉の影響が小さくなり、ネットワーク全体の電波干渉関係が緩和されることが考えられる。この場合、同時に通信可能なリンク数が増加することによる、ネットワーク性能が増加することが期待される。このように、障害物の存在により、ネットワーク性能が向上する要素及び低下する要素の双方が考えられる。

リレーネットワークの性能評価に用いられる電波干渉モデルとして、ノードが通信可能な範囲や近隣ノードに電波干渉を及ぼす範囲を、ノードを中心とした円状の範囲内と定義したプロトコルモデルがある。プロトコルモデルでは、通信電波の反射や回折といった詳細な性質は考慮しないが、ノード間の通信の可否をお互いのノードの電波到達範囲や他ノードによる電波干渉範囲に含まれているか否かという点のみで判定するため、ネットワーク全体のトポロジや電波干渉関係をグラフ理論を用いて容易に扱うことができる。リレーネットワークの性能評価においても様々な研究において使用されているが、これらの評価では障害物の存在は考慮されていない。

そこで本研究では、障害物が電波伝搬に与える影響を考慮したリレーネットワークの性能評価を行う。はじめに、障害物の存在を導入した障害物モデル及び、障害物による通信電波の遮断を考慮した拡張プロトコルモデルを提案する。次に、これらの提案モデルを用いて、リレーネットワークのサービス面積、電力対スループット比に関してシミュレーション評価を行う。その結果、サービス率の改善には電波到達距離を増加するよりも、新たにノードを追加する方が効果的であることを示した。

さらに、ネットワークを展開する領域の障害物の割合や配置するノードの個数及び電波到達距離からネットワーク性能を推定する手法を提案する。具体的には、性能評価の結果を用いた重回帰分析を行うことで、サービス率及び電力対スループット比を推定するための回帰式を導出する。これらの手法の精度を調べるために、実世界におけ る建物配置を用いてシミュレーション評価結果と回帰式による推定値との相対誤差について評価した結果、サービス率に関して、障害物の占有率が小さい場合では高い精度で推定することができるが占有率が増加すると誤差が大きくなることを確認した。

[関連資料]

  1. 障害物による通信電波の遮断を考慮したIEEE 802.16jリレーネットワークの性能評価及び推定手法 障害物による通信電波の遮断を考慮したIEEE 802.16jリレーネットワークの性能評価及び推定手法 (1,134 KB)

[関連発表論文]

  1. 伊勢悠輝, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jネットワークにおける障害物による電波遮断の影響を考慮した性能評価,” 電子情報通信学会第9回QoSワークショップ予稿集 (QW9-P-08), pp.1-2, Nov. 2011. (ポスター講演)
  2. Yuuki Ise, “Performance evaluation and estimation of IEEE 802.16j relay networks considering radio wave obstruction by obstacles,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  3. 伊勢悠輝, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “障害物を考慮したIEEE 802.16jネットワークにおける重回帰分析に基づく性能推定手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-163), vol.111, no.469, pp.157-162, Mar. 2012. [paper]
  4. Yuuki Ise, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Evaluation of IEEE 802.16j relay network performance considering obstruction of radio wave propagation by obstacles,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), pp.63-68, Mar. 2012. [paper]

2.2. オブジェクトの追跡と計数に関する研究

近年、道路の通行量や建物、催し物会場等の入退場者数を把握するための人流計測の自動化に対する需要が高まっている。本研究では、カメラで取得した動画像あるいは単純なセンサを組み合わせることにより、人流を実時間、高精度に計測、追跡できる手法を検討している。

2.2.1. 動画像処理に基づく歩行者計数に関する研究

動画像処理に基づく歩行者計数に関する研究

道路の交通量や建物、催場などの入退場者数を把握するための人数計測技術は、道路や建物の安全管理、商業施設のマーケティング調査など、様々な分野で必要とされている。従来、人数計測は手動で行われるのが一般的であったが、人員コストがかかることや長時間の計測が困難であることから、人数計測の自動化に対する需要が高まっている。人数計測を自動で行う方法は、センサを利用するものと、カメラで撮影した映像に対する動画像処理技術に基づくものに大別される。動画像処理技術を用いた人数計測は、カメラの設置条件の自由度がセンサに比べて高く、計測場所から離れた場所からでも撮影が可能である。また、動画像から得られる情報量はセンサのそれよりも多く、通行人数だけでなく、通行人の身長や性別などの属性情報を得ることができるなどといった利点がある。しかし、通行人同士が重なり合う隠ぺい問題が発生する状況においては、計測精度が低下する。

本研究では、混雑状況においても計測精度が改善する、動画像処理技術を用いた人数計測手法を提案する。提案手法では、動画像の各フレームにおいて移動物体から得られる多数のオプティカルフローを、その角度、長さ、及び始点間距離を基準にクラスタ化する。次に、得られたクラスタ数と実際の通行人数の相関関係に基づいて、クラスタ数から人数を推定する。相関の強さはカメラの位置や通行人密度などの影響を受けるため、動画像に応じて算出した統計量を用いて各フレームにおける通行人数を推定する。提案手法の有効性は、複数の動画像に対して提案手法の性能評価を行い、クラスタ化を行わない手法と比べ、計測精度が最大25%向上することを確認した。また、オプティカルフローのクラスタ化における角度のしきい値と計測精度との関係に着目した評価を行い、しきい値を1 度以下にすることで計測精度が向上することを示した。さらに、オプティカルフローを抽出する際に特徴点もしくは格子点を使用する2 種類のアルゴリズムの性能を比較し、 隠ぺい問題が多発する際には、格子点を用いるより特徴点を用いた方が精度が向上することを確認した。

[関連資料]

  1. オプティカルフローのクラスタ化に基づく動画像中の通過人数計測手法 オプティカルフローのクラスタ化に基づく動画像中の通過人数計測手法 (241 KB)

[関連発表論文]

  1. 藤澤志寿加, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オプティカルフローのクラスタリングによる通行人数のリアルタイム計測手法,” 電子情報通信学会第9回QoSワークショップ予稿集 (QW9-P-07), pp.1-2, Nov. 2011. (ポスター講演)
  2. Shizuka Fujisawa, “Pedestrian counting in video sequences based on optical flow clustering,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  3. 藤澤志寿加, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “動画像中の歩行者数計測のためのオプティカルフローのクラスタリング手法,” 画像電子学会第260回研究会講演予稿集, pp.123-129, Mar. 2012.
  4. Shizuka Fujisawa, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Pedestrian counting in video sequences using optical flow clustering,” in Proceedings of the 6th International Conference on Circuits, Systems and Signals (CSS 2012), pp.51-56, Mar. 2012. (Best Paper Award) [paper]
  5. Shizuka Fujisawa, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Pedestrian counting in video sequences based on optical flow clustering,” submitted for publication, Mar. 2012.

2.2.2. H.264/AVCビデオストリームを用いた歩行者計数に関する研究

H.264/AVCビデオストリームを用いた歩行者計数に関する研究

本研究ではH.264/AVC 符号化器で生成されるパラメータに統計処理を施すことによって歩行者数を推定する手法を提案する。これまでフレーム画像から抽出されるコーナー数を統計処理しフレーム内の歩行者数を推定する方法が発表されているが、これは単一の特徴量に基づく推定である。一方、H.264/AVC 符号化器からは、形状や動きに適した動き補償を行うための複数種の可変ブロックや残差信号など多くの特徴量が一度に抽出できる。提案手法は、これらの特徴量を組み合わせて推定精度を向上させるところに特徴がある。状況の異なる3種の試験映像で歩行者数推定を行い本手法と従来手法の比較を行った。単独で最も良い結果をもたらす残差信号を用いた場合、コーナー数を用いた従来手法と同等の性能が得られること、歩行者のいない背景に可変ブロックが発生しない良い撮影条件の場合は、可変ブロック数を併用することにより平均絶対誤差が最大で0.64 人向上し、平均相対誤差では最大で7.2%向上することが確認できた。

[関連発表論文]

  1. 小桐康博, 倉掛正治, 中野博隆, “H.264/AVC ビデオストリームを用いた歩行者数の推定,” 投稿中, Feb. 2012.

2.2.3. 動画像中の仮想ゲート通過人数計数に関する研究

動画像中の仮想ゲート通過人数計数に関する研究

駅や空港などの施設における安全管理、道路の交通整理などのための監視業務、またイベント会場や街頭での通行人数の調査などを目的とした、人流や通行人数の観測は、目視、あるいはセンサやカメラ映像を利用することによって自動で行われている。目視による通行人数計測は、人員コストがかかること、混雑状況下における正確な通行人数計測が困難であること等の問題を持つため、自動で通行人数計測を行う技術が注目を集めている。特にカメラ映像を用いた通行人数計測手法はカメラの設置条件の自由度がセンサに比べて高く、計測場所から離れた場所からでも撮影が可能である利点がある。カメラ映像を利用した自動通行人数計測システムは、利用目的に応じて、撮影領域全体の通行人を計測するものと、建物やエレベータの入口、エスカレータなど、撮影領域中の指定した地点を通過した通行人数を計測するものに分けられる。いずれの自動通行人数計測システムにおいても、多くの通行人が行き交う混雑状況下における計測精度向上が大きな課題となっている。

我々の研究グループでは、カメラで撮影した領域内の通行人数を、動画像中のオブジェクトの移動ベクトルを表すオプティカルフローに基づき、実時間で推定する手法を検討している。本手法では、抽出したオプティカルフローを長さや角度、始点位置等を基準にクラスタ化し、事前学習に基づく統計情報から動画像フレーム毎の通行人数を推定する。評価の結果、オプティカルフローを微小なしきい値に基づきクラスタ化することの有効性を示している。

本研究では、動画像中に設定した直線状の仮想ゲートを通過した通行人数を実時間で計測するシステムを対象として、オプティカルフローのクラスタ化に基づき通行人数の推定を行う手法を提案する。ここで、使用する座標系、オプティカルフロー抽出対象点の配置方法、およびオプティカルフロー抽出に用いる動画像フレーム数など、オプティカルフローの抽出過程の処理には自由度がある。本研究では、これらの処理に用いる方式をさまざまに組み合わせてオプティカルフローを抽出した場合の、提案手法の計測精度の比較評価を行うことで、計測精度の高い組み合わせを得る。提案手法の性能評価は、大阪大学サイバーメディアセンター前で撮影した動画像に対して行った。その結果、仮想ゲート上にオプティカルフローの抽出対象点を配置し抽出したオプティカルフローをクラスタ化することによって高い計測精度が得られることを明らかにした。

[関連資料]

  1. オプティカルフロー検出に基づく動画像中の仮想ゲート通過人数推定手法 オプティカルフロー検出に基づく動画像中の仮想ゲート通過人数推定手法 (188 KB)

[関連発表論文]

  1. 水嶋未来, “オプティカルフロー検出に基づく動画像中の仮想ゲート通過人数推定手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.

2.2.4. 複眼センサを用いた歩行者計数に関する研究

複眼センサを用いた歩行者計数に関する研究

商業施設やイベント会場における来客数調査、道路の交通整理、工事現場での安全管理などの様々な分野で人や自動車といった移動オブジェクトの計数に対する需要がある。手動によるオブジェクト計数は、コストが高いことや、混雑状況下での精度低下などの問題があり、オブジェクト計数を自動化する技術が注目を集めている。特に、自身のセンシング領域内のオブジェクトの有無のみを検出できるバイナリセンサは安価であり、消費電力も小さいことから、無線通信機能とバイナリセンサを有する端末を用いてセンサネットワークを構築し、オブジェクト計数へ応用することが期待されている。バイナリセンサを用いたオブジェクトの計数システムにおいては、多くのオブジェクトが行き交う混雑状況下での計数精度の向上が課題である。

本研究では、廊下のように歩行者が2 方向に移動するような環境を対象として、移動方向別の歩行者数を推定する手法を提案する。この提案手法は、バイナリセンサを用いた歩行者計数の既存手法と比べ、多くの人が行き交う混雑状況下での推定精度が高くなる。提案手法では、天井に2 つのバイナリセンサをセンシング領域が部分的に重なるように配置することにより複眼センサを構成する。歩行者がセンサ下を通過することによって得られる複眼センサのセンサ情報はサーバに収集され、サーバ上で歩行者数の推定が行われる。本研究では、これらのシステム全体を複眼センサシステムと呼ぶ。歩行者の有無の検出は複眼センサシステムから得られる情報を利用することのみで可能であるが、その情報を単純に利用するだけでは歩行者の数を観測できない。そこで本研究では、歩行者数を推定するために、モンテカルロ法に基づいた手法を用いる。具体的には、複眼センサシステムが歩行者を検出している間の歩行者数を推定するために、一定回数のモンテカルロシミュレーションを行う。実際の複眼センサの出力履歴とそれぞれのシミュレーション試行における複眼センサの出力履歴を比較し、もっとも差が小さい出力履歴をもったシミュレーション試行における移動方向別の歩行者数を推定結果とする。本研究では、複眼センサのパラメータや歩行者の到着率、提案手法のシミュレーション試行回数を変化させた場合の提案手法の基本特性を評価を行った。また、複数のバイナリセンサの歩行者検出タイミングの差から移動方向別の歩行者数の推定を行う既存手法との比較評価を行い、提案手法を用いることにより最大で90% 推定精度が向上することがわかった。

[関連資料]

  1. 複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法 複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法 (118 KB)

[関連発表論文]

  1. 藤井崇渡, “複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.

2.3. オーバレイネットワークアーキテクチャに関する研究

2.3.1. オーバレイルーティングによって増加する ISP 間トランジットコストの削減に関する研究(NTTサービスインテグレーション基盤研究所との共同研究)

オーバレイルーティングによって増加する ISP 間トランジットコストの削減に関する研究

オーバレイルーティングはオーバレイネットワークを用いたアプリケーション層で動作する経路制御技術であり、遅延時間や利用可能帯域などの指標を用いて経路を選択することで、ユーザが体感できる性能が向上することが知られている。一方で、IP 層で行なわれる経路制御とのポリシの違いにより、ISP のコスト構造に悪影響を与えることが考えられる。ISP によって提供される IP ルーティングは、一般に隣接 ISP とのリンクの使用にかかる金銭的コストを考慮して制御されている。対してオーバレイルーティングではエンド間の性能向上を目的として経路が選択されるため、オーバレイルーティングの利用によって通過するトランジットリンク数が増加し、ISP のトランジットコストが増大することが考えられる。

この問題に対する解決策としては、オーバレイルーティングが ISP 間のトランジットコストが増加する経路を選択することを制限する手法が考えられる。本研究では、オーバレイルーティングによって増加する ISP 間のトランジットコストを削減する手法を提案した。提案手法では、経路上のトランジットリンク数をトランジットコストの指標とし、オーバレイルーティングによる性能向上を維持しつつ、トランジットコストを抑える経路を選択する。しかし、経路上のトランジットリンク数は一般には公開されておらず、また、エンド間で容易に計測する手法が存在しないため、本論文では経路上のトランジットリンク数をオーバレイノードが容易に計測できるエンド間ネットワーク性能から重回帰分析を用いて推定する手法を確立した。提案手法の有効性を評価するため、重回帰分析により導出した推定式の精度を評価したのち、提案手法によって経路上のトランジットリンク数を制限したオーバレイルーティングの性能を評価した。実ネットワークの計測データを用いた評価により、推定式によるトランジットリンク数の過小推定が 80% のノードで 1 以下であり、また、提案手法を用いたオーバレイルーティングが、通過するトランジットリンクの数を削減しつつ、トランジットリンクの制限を行わない場合のオーバレイルーティングと同等の性能向上を得られていることを示した。

さらに本研究においては、このようなアプリケーション層において他エンドホストを経由するような経路をエンド間のネットワーク性能を指標として選択する際に、各々のエンドユーザが独自に経路選択を行うと、経路の重複によるユーザ性能の低下や、利用するISP 間トランジットリンクが増加することによるISPのトランジットコスト増大が発生する点に着目し、新たなアプリケーション層経路制御手法の提案を行った。具体的には、まず、アプリケーション層における経路選択の最適化問題を定義し、これを焼きなまし法を用いて解くことにより、ユーザ性能の向上やトランジットコストの削減を実現する経路制御手法を集中処理、分散処理の2 つの形で提案した。PlanetLabノード間で経路制御を行うことを想定して、提案手法の性能評価を行った結果、大幅なネットワーク性能の向上が得られ、特に利用可能帯域においては平均で84%の性能向上が得られることを示した。

[関連資料]

  1. ISPのコスト削減とユーザ性能の向上のためのアプリケーション層経路制御手法 ISPのコスト削減とユーザ性能の向上のためのアプリケーション層経路制御手法 (905 KB)

[関連発表論文]

  1. 松田一仁, 長谷川剛, 亀井聡, 村田正幸, “エンド間ネットワーク性能向上のための発見的手法に基づくアプリケーション層経路制御手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-65), vol.111, no.196, pp.23-28, Sep. 2011. [paper]
  2. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa, Satoshi Kamei and Masayuki Murata, ``Centralized and distributed heuristic algorithms for application-level traffic routing,'' in Proceedings of the 26th International Conference on Information Networking (ICOIN 2012), pp.193-198, Feb. 2012. [paper]
  3. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa, Satoshi Kamei and Masayuki Murata, “A method to reduce inter-ISP transit cost caused by overlay routing based on end-to-end measurement,” submitted for publication, Nov. 2011.

2.3.2. 大規模ネットワーク障害に対応可能なオーバレイルーティング手法に関する研究(日本電気株式会社との共同研究)

大規模ネットワーク障害に対応可能なオーバレイルーティング手法に関する研究

地震、風水害、テロなどの大規模災害に対するコンピュータネットワークの対策に関しては未だ体系的に議論されておらず、災害発生時においてもネットワークの十分な信頼性を確保することは難しい。通常、高信頼なネットワークは冗長性に優れた構成を組むことにより実現されるが、インターネットにおけるIPルーティングプロトコルでの転送経路切替方法では短時間での切替は困難である。また、IP層の機能強化を行う場合にも、共通基盤に新しい機能を付加することにより、それに付随する制御が種々派生し、その複雑さによってアーキテクチャの破綻を招く恐れがある。オーバレイネットワーク技術を用いてそのような新機能を実現する手法が多数提案されているが、そのような仮想ネットワークにおける障害回復手法には、これまでには想定されなかったような同時発生する複数障害への対応が求められる。

そこで本研究では、オーバレイネットワークの経路重複が原因となり、アンダーレイネットワークの少数リンクの障害が、オーバレイネットワークにおける大規模同時障害を引き起こす問題に着目し、上記手法をそのような同時発生障害に対応させるための障害用トポロジ構築手法を提案した。提案手法は、それぞれのオーバレイノードが、自身を含む障害に対応するトポロジを作成し、それらを適宜集約することによって、1つのトポロジ群を構築する。数値計算による性能評価の結果、アンダーレイネットワーク全体の25%のリンク障害発生時に、経路長をほとんど増加させることなく、到達性を51%から97%に回復できることがわかった。

[関連発表論文]

  1. Go Hasegawa, Takuro Horie and Masayuki Murata,“Network recovery method with pre-calculation of routing configurations for large-scale failures,” Journal of Communications and Networking, vol.1, no.5, pp.60-73, 2011.
  2. Go Hasegawa, Takuro Horie and Masayuki Murata, “Proactive recovery from multiple failures utilizing overlay networking technique,” Telecommunication Systems, 2012. [paper]

2.3.3. オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究

オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能計測手法に関する研究

オーバレイネットワークはIP ネットワーク上に論理的に構築されたネットワークであるため、性能の維持、向上のためには定期的にオーバレイパスの資源情報を計測によって得る必要がある。オーバレイネットワークの構築に必要な情報を得る手法は数多く提案されているが、その多くは小規模なオーバレイネットワークを対象としており、全てのオーバレイノード間の経路を計測する手法である。このような手法ではオーバレイノード数の2乗の計測コストが必要であり、オーバレイノード数が増加した場合には計測に必要なコストの増加が問題となる。この問題に対し、我々は、オーバレイパスの重複した部分の計測を行わず、重複部分の計測結果を合成することにより、オーバレイネットワーク全体の性能を推定する、計測結果の空間的合成手法を提案している。この手法は、オーバレイネットワーク全体のパスの情報を得る完全性を維持しつつ、パスの計測数を削減することができるが、計測結果の空間的合成によって得られた推定結果と実際の計測結果との間の誤差、つまり推定精度が問題となる。

そこで本研究では、PlanetLab上における計測結果を用いた、パケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法の精度評価を行った。また、推定精度を向上させるための計測結果のデータ処理手法を提案した。精度評価の結果、PlanetLab環境における、実際のパケット廃棄率の計測結果と、空間的合成手法によって得られた推定値との平均対数誤差は約0.4であることがわかった。また、パケット廃棄率の計測においては、オーバレイノード処理負荷が原因となり、計測開始後の数秒間にパケットが全く届かないことがあり、そのような計測結果を削除した上で統合手法を適用することによって、推定精度が向上することがわかった。さらに、パケット廃棄率の計測結果に対し、統計的検定を適用し、外れ値を除去することにより、平均対数誤差を最大で36%改善できることを示した。

また、上述のような状況を含めたオーバレイネットワークにおける計測に関する研究では、計測経路数を削減する、あるいは、スーパーノードを設置してオーバレイネットワークの全ての経路情報を収集し、完全スケジューリングによって計測の衝突を回避する手法が提案されている。これに対し本研究では、スーパーノードを使用せず、かつ、IP ネットワークの完全なトポロジ情報を必要としない、オーバレイネットワーク計測手法を提案した。具体的には、個々のオーバレイノードが自身を始点とするオーバレイパスの計測タイミングを決定し、計測衝突を回避する。提案手法は、個々のオーバレイノードが他のオーバレイノードまでのアンダーレイ経路情報を取得し、他のオーバレイノードと経路情報を交換することにより、自身を始点とする経路と、他のオーバレイノードを始点とするパスの経路重複の状態を推定する。1 つのオーバレイノードを始点とする複数のパスは、逐次的に計測を行うことで、計測衝突を回避する。一方、始点が異なる経路は、始点オーバレイノードがランダムに計測タイミングを決定することで、衝突を確率的に回避する。性能評価の結果、従来の完全スケジューリング型の計測手法に比べて高い計測頻度を達成し、かつ、計測重複を効率的に回避できることを明らかにした。

[関連資料]

  1. オーバーレイネットワークにおけるパケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法 オーバーレイネットワークにおけるパケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法 (180 KB)

[関連発表論文]

  1. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “A distributed measurement method for reducing measurement conflict frequency in overlay networks,” in Proceedings of the 2011 International Communications Quality and Reliability Workshop (IEEE CQR 2011), pp.1-6, May 2011. [paper]
  2. 飯島 優介, “オーバレイネットワークにおけるパケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.

2.3.4. オーバレイルーティングがISPの接続戦略に与える影響に関する研究

オーバレイルーティングがISPの接続戦略に与える影響に関する研究

インターネットは様々なインターネットサービスプロバイダ(ISP)が運営している数多くのネットワークから構成される。ISPのトラヒックと経済的側面の関係は主にISPのルーチングポリシーによって決定される。しかし近年、アプリケーション層においてトラヒックルーチングを行うオーバレイルーチングが急速に普及しており、ISPのルーチングポリシーとの関係が注目されている。

そこで本研究では、オーバレイルーチングがISPに与える経済的影響、およびISPが他のISPと接続を行う際の戦略について考察する。そのために、簡易なISPネットワークに基づくISP相互接続ビジネスモデルを導入し、様々な状況におけるネットワークのトラヒックパターンをモデル化する。その後、そのビジネスモデルとトラヒックパターンを組み合わせることで、Bill-and-Keep peeringおよび Paid peeringを用いたISPのコスト削減について検討する。加えてISPがピアリング戦略を増強する動機について議論する。 さらに、オーバーレイルーチング とマルチホーム接続ISPにおけるルーチング戦略の相互作用を、ゲーム理論に基づき解析すると共に、ISPにおいて、効率を低下させることなくナッシュ均衡を達成可能なルーチング戦略を提案する。

[関連資料]

  1. オーバーレイルーティングとマルチホーム接続ISPの相互作用のゲーム理論に基づく解析 オーバーレイルーティングとマルチホーム接続ISPの相互作用のゲーム理論に基づく解析 (87 KB)

[関連発表論文]

  1. Xun Shao, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オーバレイルーティングがISPの接続戦略に与える影響に関する一検討,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-18), vol.111, no.43, pp.13-18, May 2011. [paper]
  2. Xun Shao, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “The implication of overlay routing on ISPs' connecting strategies,” in Proceedings of the 23rd International Teletraffic Congress (ITC 2011), pp.286-293, Sep. 2011. [paper] [slide]
  3. Xun Shao, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オーバーレイルーティングとマルチホーム接続ISPの相互作用のゲーム理論に基づく解析,” 電子情報通信学会技術研究報告, May 2012. (発表予定)

2.4. 次世代高速トランスポートプロトコルに関する研究

エンドホスト間でデータを高速に、かつ効率よく転送するための中心技術がトランスポートプロトコルである。特にインターネットで用いられているTCPでは、エンドホストがネットワークの輻輳状態を自律的に検知して転送率を決定している。これは、インターネットの基本思想であるEnd-to-end principleの核になっているものであるが、エンドホストの高速化により、その適応性をより高度なものにできる可能性が十分にある。本研究テーマでは、そのようなトランスポートプロトコルそのものに関する研究、および、そのようなトランスポートプロトコルを用いるアプリケーションシステムの性能向上に関する研究に取り組んでいる。

[関連発表論文]

  1. 長谷川剛, 村田正幸, “TCP のふくそう制御機構に関する研究動向,” 電子情報通信学会論文誌, vol.J94-B, no.5, pp.663-672, May 2011. (招待論文) [paper]
  2. 長谷川剛, “インターネットにおけるトランスポート層アーキテクチャに関する研究,” 電子情報通信学会技術研究報告 (CQ2011-65), vol.111, no.378, pp.55-60, Jan. 2012. (特別講演) [paper]

2.4.1. TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究

TCPの動作を考慮した無線LANの消費電力低減に関する研究

IEEE 802.11無線LANにおいては、無線通信が消費する電力が全体の10%から50%を占めることが報告されており、無線通信の消費電力を削減することが機器全体の消費電力を削減するうえで重要である。無線LANにおける省電力化に関する検討は、主にハードウェアレベルおよびMACプロトコルレベルの双方から行われている。一般に、ネットワーク機器の省電力に関して議論を行う場合においては、省電力効果とネットワーク性能間のトレードオフを考慮する必要がある。すなわち、消費電力の削減に効果のある要因を明らかにし、その要因がどの程度ネットワーク性能を低下させるかを知ることが重要である。しかし、TCPなどのトランスポート層プロトコルの挙動が省電力性能に与える影響に関してはこれまで検討が行われていない。

そこで本研究では、無線LAN においてTCPデータ転送を行う、単一の無線端末が消費する電力のモデル化手法を提案し、消費電力を低減する転送手法について検討した。提案モデルはMACレベルのモデルとTCPレベルのモデルの組合せによって実現した。MACレベルのモデルにおいては、CSMA/CAのフレーム交換に基づく消費電力モデルを構築した。TCPレベルにおいては、TCPの動作解析に基づいて消費電力モデルを構築した。構築した消費電力モデルに基づいた数値解析によって、無線端末から有線ネットワーク上にあるホストに対してTCP データ転送を行った場合の消費電力を解析的に導出可能となる。数値解析の結果から、パケットの送受信がない区間において理想的にスリープした場合とそうでない場合を比較することで、消費電力を削減するうえで効果的な要因を明らかにした。すなわち、長いスリープ時間を維持したままスリープ状態への遷移回数を削減することが省電力効果を高めるのに効果的である。また、省電力と転送時間との間にはトレードオフの関係があることを示した。

[関連資料]

  1. 無線LAN環境におけるSCTPを用いたTCPフローの省電力化 無線LAN環境におけるSCTPを用いたTCPフローの省電力化 (258 KB)

[関連発表論文]

  1. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Modeling and analysis of power consumption in TCP data transmission over a wireless LAN environment,” in Proceedings of the 4th International Workshop on Green Communications (GreenComm 2011), pp.1-6, June 2011. [paper]
  2. 橋本匡史, 長谷川剛, 村田正幸, “無線LAN環境におけるTCP Delayed ACKによる省電力効果の解析,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-50), vol.111, no.144, pp.1-6, July 2011. [paper]
  3. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Energy efficiency analysis of TCP with burst transmission over a wireless LAN,” in Proceedings of the 11th IEEE International Symposium on Communications and Information Technologies (IEEE ISCIT 2011), pp.292-297, Oct. 2011. [paper]

2.4.2. 無線マルチホップネットワークにおける省電力手法がネットワーク性能に与える影響に関する研究

無線マルチホップネットワークにおける省電力手法がネットワーク性能に与える影響に関する研究

無線LAN規格であるIEEE 802.11は複数のデータレートを持ち、それぞれについて、符号化方法、消費電力、通信可能距離なども異なる。また、IEEE 802.11に存在する複数の規格は異なる特性を持つ。さらに、同じ規格であっても、ハードウェア構成が異なると、消費電力や通信可能距離は大きく異なる。そのため、IEEE 802.11無線LANにおける消費電力に関する議論を行う際には、実ハードウェアの仕様を考慮する必要がある。一方、無線技術の一般的な特性として、送信電力、通信可能距離及び、ビットエラー率などは複雑に関連している。すなわち、IEEE 802.11無線LANを用いた無線マルチホップネットワークにおいては、消費電力を決定する要素が多く存在し、かつ、それらの要素が複雑な関係を持つ。そのため、消費電力を抑えたデータ転送を行うためには、これらの要素の関係を明らかにし、データ伝送時の消費電力を解析的に評価する必要がある。

そこで本研究においては、まずIEEE 802.11無線LAN技術に基づく無線マルチホップネットワークにおけるデータ伝送を対象とし、その消費電力量解析を行った。具体的には、IEEE 802.11で用いられるMACプロトコルであるCSMA/CAの詳細な挙動に基づき、1ホップのデータ伝送における消費電力量を導出した。その後、送受信端末間でマルチホップによってデータを伝送した際の総電力量を明らかにした。さらに、実在するIEEE 802.11無線LANのネットワークインターフェースデバイスの消費電力データを利用し、解析結果を用いた消費電力量の評価を行った。評価の結果、ネットワークにおけるフレーム損失率が等しい場合には、より高いデータレートを使うことで、より小さい消費電力量が得られるが、低いデータレートを使うほうが消費電力量を抑えることが出来る場合があることを明らかにした。

[関連資料]

  1. IEEE 802.11マルチホップネットワークにおける省電力手法がネットワーク性能に与える影響 IEEE 802.11マルチホップネットワークにおける省電力手法がネットワーク性能に与える影響 (231 KB)

[関連発表論文]

  1. 通阪航, 長谷川剛, 村田正幸, “IEEE 802.11マルチホップネットワークを用いたデータ伝送時の消費電力量解析,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-77), vol.111, no.196, pp.103-108, Sep. 2011. [paper]
  2. Wataru Toorisaka, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Power consumption analysis of data transmission in IEEE 802.11 multi-hop networks,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), Mar. 2012.

2.4.3. 省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究

省電力ルータが存在する環境における利用可能性帯域計測手法の改善に関する研究

近年、ネットワークトラヒックの増加に伴うネットワーク機器の消費電力の増加が問題となっている。経済産業省の試算によると、国内のルータを含むネットワーク機器の総消費電力は、2006 年度の約80 億kWh から2025 年度には約1033 億kWh と、およそ13 倍に増加すると指摘されている。この問題に対して、ネットワーク負荷に応じてルータ処理性能やリンク速度の動的な変更を行うことにより、省電力を図る技術に関する研究が行われている。しかし、そのような省電力ルータがネットワーク内に存在すると、ネットワーク負荷に応じてエンド端末間パスの物理帯域が変動するため、従来提案されているエンド間利用可能帯域計測手法の計測精度が劣化すると考えられる。また、帯域計測のために発生するネットワーク負荷により、省電力ルータが十分に省電力効果を発揮できない可能性がある。

そこで本研究では、リンクの物理帯域を動的に変化させる省電力ルータがネットワークに存在する環境における、エンド間利用可能帯域計測手法Pathload の性能評価を行い、利用可能帯域計測と省電力ルータが相互に及ぼす影響を明らかにする。また、Pathload が省電力ルータに与えるトラヒック負荷を解析的に明らかにした。その結果、計測負荷によって省電力ルータが物理帯域を増加させた場合、省電力動作中の物理帯域を基準とした利用可能帯域を計測することが困難になることを示した。また、その結果に基いて、計測手法のパラメータを調整することにより、省電力ルータに影響を与えない計測を行うことが可能であることを示した。

[関連資料]

  1. ルータの省電力動作を考慮したエンド間帯域計測手法のパラメータ調整 ルータの省電力動作を考慮したエンド間帯域計測手法のパラメータ調整 (217 KB)

[関連発表論文]

  1. 小林大翼, 長谷川剛, 村田正幸, “ネットワーク機器の省電力動作を考慮したエンド間帯域計測手法の性能評価,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-90), vol.111, no.232, pp.45-50, Oct. 2011. (ポスター講演) [paper]
  2. Daisuke Kobayashi, “Parameter tuning of end-to-end bandwidth measurement method with power-saving routers,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  3. Daisuke Kobayashi, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Evaluation and improvement of end-to-end bandwidth measurement method for power-saving routers,” in Proceedings of the IEEE 2011 International Communications Quality and Reliability Workshop (IEEE CQR 2011), May 2012. (to be presented)

2.4.4. ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究

ネットワークパスの複数区間の利用可能帯域の同時計測に関する研究

エンド端末間におけるデータ転送の際に、パスの利用可能帯域を指標として用いることで、輻輳の検知、通信レートの制御、オーバレイネットワークにおけるトポロジ制御、経路制御やマルチパス転送などの様々なネットワーク制御が可能となる。そのため、エンド端末間パスの利用可能帯域を計測することは重要である。従来の端末間パスの利用可能帯域の計測技術は、ボトルネック区間の利用可能帯域の値のみを把握することができるが、一方、ボトルネック区間そのものの特定やエンド端末間パスの複数箇所の利用可能帯域の計測を行うことはできない。しかし、たとえば無線ネットワークと有線ネットワークなどネットワーク特性が異なる区間がエンド端末間パス上に混在している場合に、それぞれのネットワークの利用可能帯域の計測が可能となれば、無線ネットワークなどパケット誤りの多い環境に応じて通信レートを低く設定するなどの、ネットワーク環境に応じた制御を行うことができる。

そこで本研究では、エンド端末間のパス上における複数かつ任意の区間における利用可能帯域を同時に計測する手法について検討した。従来の利用可能帯域の計測手法は送信端末が受信端末に向けて計測用パケットを送る際に、パケットの送信間隔を様々に変化させ、受信端末における受信間隔を観察することで利用可能帯域を計測する。そこで、提案手法においては、パケットの送信間隔の制御方法を改善し、かつ、エンド端末間パス上のルータにおいて記録されるパケットの送受信時刻を利用することによって、端末間のパス上における任意の区間の利用可能帯域を計測する。提案方式の性能評価は、簡易的なシミュレーションによって行った。その結果、送信端末に近いネットワーク区間より、受信端末に近いネットワーク区間の利用可能帯域が大きい場合においても、それぞれの区間の利用可能帯域を計測することが可能であることを確認した。

[関連発表論文]

  1. 鯉谷和正, 長谷川剛, 村田正幸, “エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-108), vol.111, no.346, pp.7-12, Dec. 2011. [paper]
  2. Kazumasa Koitani, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Measuring available bandwidth of multiple parts on end-to-end network path,” in Proceedings of the IEEE 2012 International Communications Quality and Reliability Workshop (IEEE CQR 2012), May 2012. (to be presented)

2.4.5. TCP送信を前提としたビデオストリーミング方式に関する研究

TCP送信を前提としたビデオストリーミング方式に関する研究

近年、ネットワークの広帯域化により、 YouTubeに代表されるTCPを用いた動画像ストリーミングサービスが普及している。しかしながら、TCPはその輻輳制御のため、動画像ストリーミングに適していないという指摘がある。現在の標準的なTCPであるTCP NewReno の輻輳制御アルゴリズムは、輻輳ウィンドウサイズと呼ばれるパラメータを用いて、確認応答無しに一度に送信できるデータパケット数を調節することによって、パケット転送速度を調節している。この輻輳制御アルゴリズムは、パケット棄却を検知したとき、大きく輻輳ウィンドウサイズを減少させるため、転送レートが大きく変化する。動画の再生のためには、一定レートのデータ転送が望ましく、転送レートを大きく変化させるTCPは適していない。また、TCPの輻輳制御は貪欲な制御であり、パケット棄却を検知するまで、輻輳ウィンドウを増加させる。そのため、動画の再生レートに関係なくその転送レートを増加させ、他のトラヒックから帯域を不要に奪う問題がある。

そこで本研究では、まず、既存のTCPを用いた動画像ストリーミングサービスのデータ転送方式を調査し、既存の動画像ストリーミングサービスが、動画の再生レートより非常に大きなレートでデータ転送していることを示した。さらに、アプリケーション層においてデータ転送を制御することで、トランスポート層プロトコルにTCPを用いるにもかかわらず、必要以上のネットワーク帯域を奪わない、動画像ストリーミングのデータ転送方式を提案した。提案方式は、送信側ホストのTCPからTCPの状態変数を取得し、ネットワークの輻輳状況を推測する。また、受信側ホストから動画のバッファリング量を取得し、ネットワークの輻輳状況と受信側ホストの動画のバッファリング量に基づいて、1ラウンドトリップ時間に送信側ホストのTCPに渡すデータ量を調節することで、転送レートを制御する。シミュレーションによる評価の結果、提案方式は既存の方式と異なり、受信側ホストにおけるバッファアンダーフローの発生を抑え、かつ、バックグラウンドトラヒックの帯域を奪わないことを示した。

[関連発表論文]

  1. Hiroyuki Hisamatsu, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Non bandwidth-intrusive video streaming over TCP,” in Proceedings of the 8th International Conference on Information Technology: New Generations (ITNG 2011), pp.78-83, Apr. 2011. [paper]
  2. Hiroyuki Hisamatsu, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Network friendly transmission control for progressive download over TCP,” Journal of Communications, vol.6, no.3, pp.213-221, Mar. 2012. [paper]

2.4.6. トランスポートプロトコルの改良によるシンクライアントシステムの性能向上に関する研究

トランスポートプロトコルの改良によるシンクライアントシステムの性能向上に関する研究

シンクライアントシステムとは、クライアントからキーボード・マウスイベントを送信し、サーバから処理結果の画面情報を受信するシステムを指し、そのトラヒックは、文字情報に相当するインタラクティブな特性のトラヒックと、ウィンドウなどの画面情報に相当するバルク転送的な特性のトラヒックに大別できる。本研究においては、前者に対してパケットロスへの耐性向上を課題として、データパケットの複製同時送信を提案し、後者に対しては、スループットの向上を課題として、TCPのスロースタート再スタート(SSR)の影響を評価するとともに、データセグメントの再構成手法に関する検討を行った。

提案方式の有効性を評価するために、実システムから抽出したトラヒックを用いてシミュレーションを行い、インタラクティブデータフローの遅延の要因は、ボトルネックリンクに接続するルータでのキューイング遅延と、サーバのTCP送信バッファにおける遅延であることを示した。次に、インタラクティブデータフローの優先制御を行うとともに、TCP SACKオプションを利用した場合は、平均遅延時間は改善されるが、数秒の遅延が発生することを示した。さらに、その改善のため、TCPの再送タイムアウト値計算の修正と、TCP SACKオプションの一時的停止を提案し、数秒の遅延が解消されることを示した。

[関連発表論文]

  1. Yukio Ogawa, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “A transport-layer approach for improving thin-client performance in a WAN environment,” International Journal of Internet Protocol Technology (IJIPT), vol.6, no.3, pp.172-183, Nov. 2011. [paper]

2.4.7. 電力消費を考慮した広域分散コンピューティング環境に関する研究

電力消費を考慮した広域分散コンピューティング環境に関する研究

シンクライアントシステムとは、クライアントからキーボード・マウスイベントを送信し、サーバから処理結果の画面情報を受信するシステムを指し、そのトラヒックは、文字情報に相当するインタラクティブな特性のトラヒックと、ウィンドウなどの画面情報に相当するバルク転送的な特性のトラヒックに大別できる。本研究においては、前者に対してパケットロスへの耐性向上を課題として、データパケットの複製同時送信を提案し、後者に対しては、スループットの向上を課題として、TCPのスロースタート再スタート(SSR)の影響を評価するとともに、データセグメントの再構成手法に関する検討を行った。

提案方式の有効性を評価するために、実システムから抽出したトラヒックを用いてシミュレーションを行い、インタラクティブデータフローの遅延の要因は、ボトルネックリンクに接続するルータでのキューイング遅延と、サーバのTCP送信バッファにおける遅延であることを示した。次に、インタラクティブデータフローの優先制御を行うとともに、TCP SACKオプションを利用した場合は、平均遅延時間は改善されるが、数秒の遅延が発生することを示した。さらに、その改善のため、TCPの再送タイムアウト値計算の修正と、TCP SACKオプションの一時的停止を提案し、数秒の遅延が解消されることを示した。

[関連発表論文]

  1. Yukio Ogawa, “Solution approaches for wide-area distributed systems toward integration of enterprise networks and computing resources,” Ph.D. Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Jan. 2012.
  2. Yukio Ogawa, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Power consumption evaluation of distributed computing network considering traffic locality,” submitted for publication, Nov. 2011.
  3. Yukio Ogawa, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Effect of traffic locality on power consumption of distributed computing network with a data center,” submitted for publication, Nov. 2011.

3. 発表論文一覧

3.1. 著書

  1. Go Hasegawa and Masayuki Murata, “TCP symbiosis: Bio-inspired congestion control mechanism for TCP,” in Biologically Inspired Networking and Sensing: Algorithms and Architectures, IGI Global, pp.104-131, Aug. 2011. [paper]

3.2. 学術論文誌

  1. 長谷川剛, 村田正幸, “TCP のふくそう制御機構に関する研究動向,” 電子情報通信学会論文誌, vol.J94-B, no.5, pp.663-672, May 2011. (招待論文) [paper]
  2. Masakazu Murata, Yoshiaki Taniguchi, Go Hasegawa and Hirotaka Nakano, “SHOT: Scenario-type hypothesis object tracking with indoor sensor networks,” IEICE Transactions on Information and Systems, vol.E94-D, no.5, pp.1035-1044, May 2011. [paper]
  3. Yoshiaki Taniguchi, Tomoya Kitani and Kenji Leibnitz, “A uniform airdrop deployment method for large-scale wireless sensor networks,” International Journal of Sensor Networks (IJSNet), vol.9, no.3-4, pp.182-191, May 2011. [paper]
  4. Takayuki Nishio, Ryoichi Shinkuma, Tatsuro Takahashi and Go Hasegawa, “TCP-based window-size delegation method for TXOP exchange in wireless local area networks,” EURASIP Journal on Wireless Communications and Networking, vol.2011, article ID 2011:58, 12 pages, Aug. 2011. [paper]
  5. Go Hasegawa, Toshiaki Hidekuma, Masahiro Sasabe and Hirotaka Nakano, “Power control methods for improving spatial reuse in TDMA-based wireless mesh networks,” ISRN Communications and Networking, vol.2011, article ID 970943, 12 pages, 2011. [paper]
  6. 倉掛正治, 小桐康博, 中野博隆, “観測可能ノードが制限される無線メッシュネットワークに対するグラフ彩色法による適応的リンクスケジューリング,” 電子情報通信学会論文誌, vol.J94-D, no.11, pp.1876-1887, Nov. 2011. [paper]
  7. Gyeongyeon Kang, Yoshiaki Taniguchi, Go Hasegawa and Hirotaka Nakano, “Parameter tuning of the protocol interference model using SINR for time slot assignment in wireless mesh networks,” IEICE Transactions on Information and Systems, vol.E94-D, no.11, pp.2191-2200, Nov. 2011. [paper]
  8. Yukio Ogawa, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “A transport-layer approach for improving thin-client performance in a WAN environment,” International Journal of Internet Protocol Technology (IJIPT), vol.6, no.3, pp.172-183, Nov. 2011. [paper]
  9. Go Hasegawa, Takuro Horie and Masayuki Murata,“Network recovery method with pre-calculation of routing configurations for large-scale failures,” Journal of Communications and Networking, vol.1, no.5, pp.60-73, 2011.
  10. Yoshiaki Taniguchi, Akimitsu Kanzaki, Naoki Wakamiya and Takahiro Hara, “An energy-efficient data gathering mechanism using traveling wave and spatial interpolation for wireless sensor networks,” Journal of Information Processing (JIP), vol.20, no.1, pp.167-176, Jan. 2012. [paper]
  11. Hiroyuki Hisamatsu, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Network friendly transmission control for progressive download over TCP,” Journal of Communications, vol.6, no.3, pp.213-221, Mar. 2012. [paper]
  12. Go Hasegawa, Rintaro Ishii, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Time slot assignment algorithms for reducing transmission latency in IEEE 802.16j multi-hop relay networks,” Journal of Communications and Networking, vol.2, no.3, Mar. 2012.

3.3. 国際会議会議録

  1. Hiroyuki Hisamatsu, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Non bandwidth-intrusive video streaming over TCP,” in Proceedings of the 8th International Conference on Information Technology: New Generations (ITNG 2011), pp.78-83, Apr. 2011. [paper]
  2. Dinh Tien Hoang, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “A distributed measurement method for reducing measurement conflict frequency in overlay networks,” in Proceedings of the 2011 International Communications Quality and Reliability Workshop (IEEE CQR 2011), pp.1-6, May 2011. [paper]
  3. Takayuki Nishio, Ryoichi Shinkuma, Tatsuro Takahashi and Go Hasegawa, “TCP window-size delegation for TXOP exchange in wireless access networks,” in Proceedings of IEEE International Conference on Communications (IEEE ICC 2011), pp.1-5, June 2011. [paper]
  4. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Modeling and analysis of power consumption in TCP data transmission over a wireless LAN environment,” in Proceedings of the 4th International Workshop on Green Communications (GreenComm 2011), pp.1-6, June 2011. [paper]
  5. Xun Shao, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “The implication of overlay routing on ISPs' connecting strategies,” in Proceedings of the 23rd International Teletraffic Congress (ITC 2011), pp.286-293, Sep. 2011. [paper] [slide]
  6. Masafumi Hashimoto, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Energy efficiency analysis of TCP with burst transmission over a wireless LAN,” in Proceedings of the 11th IEEE International Symposium on Communications and Information Technologies (IEEE ISCIT 2011), pp.292-297, Oct. 2011. [paper]
  7. Kazuhito Matsuda, Go Hasegawa, Satoshi Kamei and Masayuki Murata, ``Centralized and distributed heuristic algorithms for application-level traffic routing,'' in Proceedings of the 26th International Conference on Information Networking (ICOIN 2012), pp.193-198, Feb. 2012. [paper]
  8. Shizuka Fujisawa, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Pedestrian counting in video sequences using optical flow clustering,” in Proceedings of the 6th International Conference on Circuits, Systems and Signals (CSS 2012), pp.51-56, Mar. 2012. (Best Paper Award) [paper]
  9. Takafumi Shigefuji, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Node repositioning method based on topology information in IEEE 802.16j relay networks,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), pp.57-62, Mar. 2012. [paper]
  10. Yuuki Ise, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Evaluation of IEEE 802.16j relay network performance considering obstruction of radio wave propagation by obstacles,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), pp.63-68, Mar. 2012. [paper]
  11. Wataru Toorisaka, Go Hasegawa and Masayuki Murata, “Power consumption analysis of data transmission in IEEE 802.11 multi-hop networks,” in Proceedings of the 8th International Conference on Networking and Services (ICNS 2012), pp.75-80, Mar. 2012. [paper]

3.4. 口頭発表(国内研究会など)

  1. Xun Shao, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オーバレイルーティングがISPの接続戦略に与える影響に関する一検討,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-18), vol.111, no.43, pp.13-18, May 2011. [paper]
  2. 北山智也, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット割り当て手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-20), vol.111, no.67, pp.13-18, May 2011. [paper]
  3. 西尾理志, 新熊亮一, 高橋達郎, 長谷川剛, Mandayam Narayan, “帯域協調利用メカニズム 〜 無線LANにおける実現方法の検討 〜,” 電子情報通信学会技術研究報告 (MoMuC2011-5), vol.111, no.75, pp.39-44, June 2011. (奨励講演) [paper]
  4. 橋本匡史, 長谷川剛, 村田正幸, “無線LAN環境におけるTCP Delayed ACKによる省電力効果の解析,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-50), vol.111, no.144, pp.1-6, July 2011. [paper]
  5. 松田一仁, 長谷川剛, 亀井聡, 村田正幸, “エンド間ネットワーク性能向上のための発見的手法に基づくアプリケーション層経路制御手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-65), vol.111, no.196, pp.23-28, Sep. 2011. [paper]
  6. 通阪航, 長谷川剛, 村田正幸, “IEEE 802.11マルチホップネットワークを用いたデータ伝送時の消費電力量解析,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-77), vol.111, no.196, pp.103-108, Sep. 2011. [paper]
  7. 村瀬勉, 新熊亮一, 長谷川剛, 矢守恭子, 太田能, 小口正人, Dilip Sarkar, Dipankar Raychaudhuri, “パレート最適ネットワーク制御技術の実現にむけて 〜 無線・有線コグニティブ環境におけるユーザを主体としたネットワーク制御 〜,” 電子情報通信学会技術研究報告 (CQ2011-38, MoMuC2011-22), vol.111, no.202, pp.57-62, Sep. 2011. (特別講演) [paper]
  8. 松田一仁, 長谷川剛, 村田正幸, “エンド間ネットワーク性能向上のための焼きなまし法に基づくアプリケーション層経路制御手法,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, pp.11-13, Sep. 2011.
  9. 橋本匡史, 長谷川剛, 村田正幸, “無線LAN環境におけるTCP Delayed ACKによるバースト転送の消費電力解析,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, pp.31-33, Sep. 2011.
  10. 藤澤志寿加, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オプティカルフローのクラスタリングによる歩行者数のリアルタイム計測手法,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, p.52, Sep. 2011. (ポスター講演)
  11. Shao Xun, Go Hasegawa, Yoshiaki Taniguchi and Hirotaka Nakano, “Analysis of the impact of overlay routing on ISPs' peering strategies,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, pp.55-57, Sep. 2011. (ポスター講演)
  12. 重藤隆文, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jネットワークにおけるトポロジ情報を用いたノード位置の調整手法,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, p.65, Sep. 2011. (ポスター講演)
  13. 鯉谷和正, 長谷川剛, 村田正幸, “エンド端末間パス上の複数箇所の利用可能帯域の同時計測手法に関する一検討,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, p.79, Sep. 2011. (ポスター講演)
  14. 伊勢悠輝, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jネットワークにおける障害物の電波遮断を考慮した性能評価,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, p.88, Sep. 2011. (ポスター講演)
  15. 小林大翼, 長谷川剛, 村田正幸, “ボトルネックリンクの物理帯域が変動する環境における既存のエンド間利用可能帯域計測手法の性能評価,” インターネット技術第163委員会技術研究報告, vol.53, p.92, Sep. 2011. (ポスター講演)
  16. 小林大翼, 長谷川剛, 村田正幸, “ネットワーク機器の省電力動作を考慮したエンド間帯域計測手法の性能評価,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-90), vol.111, no.232, pp.45-50, Oct. 2011. (ポスター講演) [paper]
  17. 藤澤志寿加, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “オプティカルフローのクラスタリングによる通行人数のリアルタイム計測手法,” 電子情報通信学会第9回QoSワークショップ予稿集 (QW9-P-07), pp.1-2, Nov. 2011. (ポスター講演)
  18. 伊勢悠輝, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jネットワークにおける障害物による電波遮断の影響を考慮した性能評価,” 電子情報通信学会第9回QoSワークショップ予稿集 (QW9-P-08), pp.1-2, Nov. 2011. (ポスター講演)
  19. 鯉谷和正, 長谷川剛, 村田正幸, “エンド端末間パスにおける複数区間の利用可能帯域計測手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-108), vol.111, no.346, pp.7-12, Dec. 2011. [paper]
  20. 長谷川剛, “インターネットにおけるトランスポート層アーキテクチャに関する研究,” 電子情報通信学会技術研究報告 (CQ2011-65), vol.111, no.378, pp.55-60, Jan. 2012. (特別講演) [paper]
  21. 太田能, 長谷川剛, 新熊亮一, 矢守恭子, 小口正人, 村瀬勉, Dilip Sarkar, Dipankar Raychaudhuri, “無線・有線統合環境におけるパレート最適ネットワーク実現のためのユーザおよび資源管理・制御機構,” 電子情報通信学会技術研究報告 (SR2011-83), vol.111, no.417, pp.37-42, Jan. 2012. (パネル討論) [paper]
  22. 藤澤志寿加, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “動画像中の歩行者数計測のためのオプティカルフローのクラスタリング手法,” 画像電子学会第260回研究会講演予稿集, pp.123-129, Mar. 2012.
  23. 重藤隆文, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおけるノード間距離を考慮したノード位置調整手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-241), vol.111, no.468, pp.345-350, Mar. 2012. [paper]
  24. 黒田泰斗, 岩本久, 矢野祐二, 大谷嗣朗, 奥田兼三, 阿多信吾, 井上一成, 長谷川剛, 村田正幸, “省電力ルータアーキテクチャのための高度なメモリコントローラ,” 電子情報通信学会技術研究報告 (NS2011-259), vol.111, no.468, pp.451-455, Mar. 2012. [paper]
  25. 伊勢悠輝, 長谷川剛, 谷口義明, 中野博隆, “障害物を考慮したIEEE 802.16jネットワークにおける重回帰分析に基づく性能推定手法,” 電子情報通信学会技術研究報告 (IN2011-163), vol.111, no.469, pp.157-162, Mar. 2012. [paper]
  26. 矢守恭子, 太田能, 新熊亮一, 長谷川剛, 村瀬勉, 小口正人, “パレート最適ネットワーク実現のため管理・制御技術,” 電子情報通信学会総合大会, BT-4-5, Mar. 2012. (チュートリアル講演)

3.5. 博士論文・修士論文・特別研究報告

3.5.1. 博士論文

  1. Shoji Kurakake, “Control methods for wireless-mesh-network link-scheduling adaptive to traffic changes and application selection adaptive to user activities,” Ph.D. Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, July 2011. [thesis]

3.5.2. 修士論文

  1. Yuuki Ise, “Performance evaluation and estimation of IEEE 802.16j relay networks considering radio wave obstruction by obstacles,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  2. Daisuke Kobayashi, “Parameter tuning of end-to-end bandwidth measurement method with power-saving routers,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  3. Takafumi Shigefuji, “Effective node repositioning method with limitation of the number of repositioned nodes for IEEE 802.16j relay networks,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.
  4. Shizuka Fujisawa, “Pedestrian counting in video sequences based on optical flow clustering,” Master’s Thesis, Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Feb. 2012.

3.5.3. 特別研究報告

  1. 飯島優介, “オーバレイネットワークにおけるパケット廃棄率の計測結果の空間的合成手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.
  2. 高木祥一, “IEEE 802.16j リレーネットワークにおける電波干渉推定に基づくタイムスロット割当手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.
  3. 肥後恒平, “IEEE 802.16jリレーネットワークにおける適応変調符号化を考慮したタイムスロット確保手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.
  4. 藤井崇渡, “複眼センサシステムのためのモンテカルロ法に基づく歩行者数推定手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.
  5. 水嶋未来, “オプティカルフロー検出に基づく動画像中の仮想ゲート通過人数推定手法,” 大阪大学基礎工学部情報科学科特別研究報告, Feb. 2012.